友達のお兄ちゃんはぺがさすっ！【プロセカ】

18.ありがとう ページ23

「じゃ、またナイトコードで！」


「楽しかった」と絵名が手を振り去っていく。

私も控えめに手を振り返し、その場を後にする。



「………」

ふとナイトコードの共有フォルダを開く。



そして『悔やむと書いてミライ』を再生……



隣には『歩きスマホ、ダメ絶対！』と書かれた看板があった。



※



＿誰もいないセカイ＿＿＿




薄暗いセカイのなかで、うっすらと聞こえてくる歌。


『悔やむと書いてミライ』だ。



やることもないので、この曲を歌ってみる。





「＿＿いつかゴミに出したのに」



この曲は、私達ニーゴの想いから出来ていると言うだけあって



「＿生涯燃やせぬまま」



初めて歌うのに声が意志を持ったみたいに



「灰になれずにいたんだ＿＿！」



感情をそのまま出すことができる。




「死にたい 消えたい 以上ない」



こんな命に期待などしないさ





＿＿＿「あんたは落ちこぼれよ！！」＿




曲に合わせて"あの時"が脳内に浮かんでくる。




「塞いだ過去に咲いたセカイ」



見えない癒えない傷ほど





＿＿＿「ッッ！！！もうっ………もうっ、いやっ！！！」




アタマ に直接響くキンとした母の声。


カッターのギリリと刃を出す音。




「悔やむと書いてミライ」






全てを悔やんでも仕方ない



『悔やむこと』は『ミライ』でしかできないこと。






「後悔を」






私の価値を失わないように



忘れてしまわないように


"私"を



「頂戴」






"私"を見つけて。







「…はぁ。」




まふゆが"見つけてほしい"と想うことも分かる。


私も、見失いそうになるから。




私が此処にいてもいいように


過去を、後悔を。




＿＿頂戴。＿

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