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 お父さんとお母さんが離婚したのは私がまだ六歳の時だった。元々その場の勢いのような形で籍を入れて結婚したお父さんとお母さんは、実は一緒に暮らし始めたら馬が合わなかったんです。あなたは運命の人じゃなかったんです。なんていう、一見まっとうな理由に見えてそうでもない言い訳をつらつら並べていた。


 まぁそのときまだ六歳で可愛らしかった私は、大人の事情なんてよく分からなかった。とある日の夜、お母さんは少し泣きながら私を抱きしめ、「愛してる」と言ってくれた。思えばそれが、私たちが三人で暮らせた最後の日だった。


 お母さんのところにいくのか、お父さんのところにいくのか、というのは、私の意思なく決められた。まず結果から言うとお母さんの妹、そう、私の叔母に当たる人にまた引き取られたのだ。






「ひさしぶりだね、Aちゃん。私、帝襟アンリです。よろしくね。」






 そう言って私に微笑んだ叔母さん___否、アンリさんは、私を快く家に迎え入れてくれた。ふわふわした赤い髪の毛がきれいなアンリさんは、お母さんに似ていた。正直激辛のマーボーは見てるだけでも辛かった。私に朝早くに起こされると、睡眠妨害だと言って悲しんでいた。冬は外に出る度にコンビニのおでんのたまごを買ってきた。私にはげましてくれと言ってきた。でも、優しかった。


 そして何より、サッカーに詳しかった。つい最近のことだが、W杯で日本がベルギーに負けた時は馬鹿みたいに泣いていた。これはその年の話。






『え、カメラマン?』
「そう。Aちゃん、人とか風景を撮るの得意だし、好きでしょう?」
『まぁ好きだけど………そんな大きなプロジェクトの写真撮影を、私に任せてもいいの?技術的な面でも不安だよ。』






 いつもに増して真剣な顔で話されたのは、アンリさんと¨絵心甚八¨という男が計画中のプロジェクト。¨青い監獄¨のカメラマンをやってほしいとの話だった。私がどうして私なのかどうかと理由を聞くと、「予算が足りてないの…お願い…」と縋ってきた。つまり、私にお小遣いを与える気は無さそうだ。断ろう。よく考えたふりをしてすんなり断ろう。そう思っていたら、アンリさんが口を開いた。






「も、もう一人可愛いマネージャーの子もいるから!」







 ちょっと、興味を持てた。















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美心(プロフ) - 悪女系きたー!!!探してましたこーゆーの!!書き方最高ですよ!!応援してます!! (2023年2月13日 20時) (レス) @page9 id: ababba2e3b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花畑先輩 | 作成日時:2023年1月12日 11時

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