いらない 知らない 求めてない！！【文スト】

第4話 ページ4

次に目が覚め最初に視界いっぱいに入ったのは白い天井だった。

最初に鼻に入ってきた匂いはキツすぎる消毒の匂い。

最初に自分の口から出てきた声？音か、は産声だ。



私は赤ん坊になっていた。

まぁ定番だよね。
納得っす。

これでも夢小説の転生系は大体読破している身である。
王道シチュは頭に入り切っている。

母｢生まれたわよ！！あなた！！！｣

父｢よく頑張ったね！！流石だ！とても可愛いね！！！｣

可愛い？私のこと？
あれか転生オプションか。
うわぁーあの神様ならやりそうで怖いのだが。

でもいい人っぽいしまぁなんとかなるか。
ヒロインに会うまでは絶対死なん！！






それから時がたった。
私は幼稚園に入ったのだがいくつか分かったことがある。

・私は前世高校生だった訳だがいまは幼稚園児なので年相応の言葉しか喋れない。

まぁこれは仕方がない。


・私はどれだけ世界を変えても友達なんていない。


・・・泣いていいかな？
いやね、私幼稚園に入ったわけよ。
まぁ頑張って生きてこうと、ヒロインと仲良くなるためにはヒロインのように生きるべきだと、

・・・すごいよ、周りが少しも話しかけてくんないの。

ん？自分から話しかけにいけと？
バカですか？
引きこもりニートのコミュ障にできると？
幼稚園の子ただでさえ純粋で繊細なのですよ？無理無理無理無理無理。
ということで私は今日もぼっちで本読んでます。


まぁ、これもいい(涙目)


問題は・・・・

私は今日も園のトイレに設置された小さく、低い位置の鏡を眺めた。

・私は悪役令嬢に転生している。

王道っちゃ王道だけどさぁ・・・
どんな乙女ゲーでも悪役の存在は必須である。
迷恋の悪役令嬢、それが星野ルナなのである。

まぁクズだ。星野は、
王道だけどね、ヒロインであるハルを虐めるぶりっ子の役割。
ヒロイン狂信者である私は当然憎むべきキャラである。死ね、まじで。

でも私が成り代わったのだから仕方がない。
でもさ！ポジティブに考えればヒロインに近づけるってことだよね！

まぁ頑張って幼稚園生活送ろー！！！

先生｢・・・あの子どうしたのかしら？｣

先生｢・・・ちょっと頭おかしいのかしら？｣

・・・泣いていいかな？(2回目)

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