第20話 甘色 ページ21
結論、失敗した。
自身に異能を掛けて罠を超えていく作戦。
いや、異能自体は上手くかかった。
私は無事罠を越えて地下室に侵入できた。
でも迂闊だった。
さっきの騒ぎで全員上に来たと思ってたけど見張りが残っていたのだ。
女の子を人質に取られている中勝てるわけなどなく私も捕まったのだ。
私の体にはグルグル巻の縄。
どうやら女の子と同じ檻に入れられたっぽい。
檻の前には先程の見張り。
さて、どうするべきか。
私は脳内で様々なシュミレーションをしてみる。
まず女の子に縛られてる後ろの手にふてもらい私の異能を発動させる。
そうすれば女の子は檻から脱出できる。
でもそれからどうする？
私は当然見張りに見つかる。
私がどうなろうと知ったこっちゃないが女の子を逃がしたとしてその後女の子はどうすればいい？
インカムは取り上げられたので太宰さん達と連絡を取り合うことは出来ない。
つまり太宰さんとかに女の子を預けることも不可能だ。
それに怪しいことはできない。
コソコソ話などしていたら脅されて何を話していたのか吐かされるに違いない。
「…………起きたか」
私を捕まえた見張りの黒服は薄ら笑みをうかべて檻に1歩近づいた。
「…………お前は探偵社だな？そいつをたすけにきたのか？」
『……………』
「だんまりか、なるはどな」
『……………』
「提案がある」
男はその場に座り直して私に向き合う。
「もしもお前が他の共に入った探偵社の名前、人数、異能や作戦を教えてくれればお前は逃がしてやる」
『…………はぁ？』
「確かポートマフィアの幹部もいるそうだな、そいつのことも教えてもらう」
『…………………』
「とはいえ口頭で言われても覚えられないからな、この紙に書いてくれ、」
男は私の異能を知っているのだろう。
私の手に手袋をさせて縄をほどいた。
その手袋は最近政府が開発したと裏の世界で噂の異能の影響を一切受けない特別なものだ。
だから手袋に触れてどこかに飛ばす──ということも当然出来ないわけか。
私の異能は直接触れないと発動できない。
私は体術に長けているわけでもない。
「言っておくがお前が断ったとしても拷問行きになるだけだ、大人しく吐くことをおすすめするよ」
『……………そうですね、』
私は大人しくペンを受け取る。
黒服がニヤつくのが見えた。
私はペンをしっかりとにぎりしめゆっくりと文字を書く。
───うるせぇ！寝言は寝て言え！───
と乱暴に書かれた紙。
『言うわけないでしょばーか』
私は微笑みを浮かべた。
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おにく(プロフ) - 青鯖と蛞蝓さん» ありがとうございます！カッコいいですよね、太宰さん！ (3月21日 10時) (
レス) id: 87b40d126e (このIDを非表示/違反報告)
青鯖と蛞蝓 - めちゃくちゃ面白いです！太宰さん最高……… (3月20日 11時) (レス) @page27 id: 09bc7e3967 (このIDを非表示/違反報告)
おにく(プロフ) - 名無し60099号さん» ありがとうございます！そう言ってもらえるとやる気出ますね〜。今後もよろしくお願いします！ (3月13日 15時) (レス) id: 87b40d126e (このIDを非表示/違反報告)
名無し60099号(プロフ) - いつもひっそりと見させていただいてます！最初から面白さ全開でいつも更新を心待ちにしています！！今回も最高に面白かったですwww (3月13日 8時) (レス) @page25 id: 64f76c54cb (このIDを非表示/違反報告)
そこら辺の壁(プロフ) - 甘色様さん» えぇ！？そうなんですか！？ありがとうございます……！お互い頑張りましょ！ (2月26日 21時) (レス) id: 09395bcd27 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：甘宮様 x他1人 | 作成日時：2024年2月25日 19時
