第16話 甘色 ページ17
『……………なんでまたいきなり?』
「いやそれが…………なんか太宰さん仕事中にいい川見つけた!とか言って飛び込んだ限りいなくなったそうで、多分近くの川を流れてるって国木田さんが、」
『なるほど、あの人ついに頭も逝ったのか』
「その…………元々かと………」
『そうだったわ、ごめん敦君間違えた』
何逆にどうやったらここまで後輩からの信頼失うん?
「Aさんも心当たりないんですね………Aさんと一緒にいると思ってたんですけど………」
『なんか私がいつも太宰と一緒にいると思われてるのすごい心外不名誉極まりない』
「いやだって…………そうじゃないで「なんの話をしているんだい?うわぁ!!??」
本人登場だよ。
帰りたいんだけど私⇽
『あーちょっと用事思い出したーカエルワー』
「ものすごい棒読みですね、驚きましたよ僕」
「なんの用事だい?」
『家の壁のシミの数数えないと』
「凄いどうでもいいですねそれ」
「数えて何になるの?」
『辛口だなお前ら』
「なんか私の話してるから来ただけなのに」
「あ、そうだった、太宰さん、国木田さんがものすごい怒ってましたよ、あの唐変木はって」
「国木田君はそろそろストレスでおかしくなりそだよねー」
『ストレスの原因がほざいてますね』
「助けて!!誰か!!」
その瞬間けたたましい悲鳴が商店街に響き渡る。
それはまだ幼い女の子の口から発せられた声だった。
私達からそこそこ離れた位置にいた。
怪しげな陰気な男に黒い車に押し込まれそうになっている。
敦君の口が少し動いた。
何かを言おうとした。
太宰さんの顔が全てを察した顔だった。
女の子と一瞬目があった。
女の子の目が言ってた。
”助けて”
女の子を乗せた車が走り去る。
「Aちゃん!!!!」
太宰さんが何かを私に手渡す。
私は何も考えずにそれを受け取る。
『異能力─────【サーカス】!!!』
たった今太宰さんに手渡されたそれ───GPSを車の中の女の子のスカートのポケットにテレポートした。
女の子を載せた車が走り去る。
「…………………行くよ、みんな」
「『了解』」
待って、
今多分言うことじゃないんだけどさ、
絶対今のシリアス場面で言うべきことじゃないんだけどさ、
『なんで太宰さんGPSもってんだ?』
「……………たまたまだよ………………Aちゃんにつけるためとか言えない………」
…………-お巡りさん、こいつです。
57人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
おにく(プロフ) - 青鯖と蛞蝓さん» ありがとうございます!カッコいいですよね、太宰さん! (3月21日 10時) (レス) id: 87b40d126e (このIDを非表示/違反報告)
青鯖と蛞蝓 - めちゃくちゃ面白いです!太宰さん最高……… (3月20日 11時) (レス) @page27 id: 09bc7e3967 (このIDを非表示/違反報告)
おにく(プロフ) - 名無し60099号さん» ありがとうございます!そう言ってもらえるとやる気出ますね〜。今後もよろしくお願いします! (3月13日 15時) (レス) id: 87b40d126e (このIDを非表示/違反報告)
名無し60099号(プロフ) - いつもひっそりと見させていただいてます!最初から面白さ全開でいつも更新を心待ちにしています!!今回も最高に面白かったですwww (3月13日 8時) (レス) @page25 id: 64f76c54cb (このIDを非表示/違反報告)
そこら辺の壁(プロフ) - 甘色様さん» えぇ!?そうなんですか!?ありがとうございます……!お互い頑張りましょ! (2月26日 21時) (レス) id: 09395bcd27 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:甘宮様 x他1人 | 作成日時:2024年2月25日 19時