教室 ページ20
「寧人何組だっけ?」
「B組」
「あ、じゃあクラス違うね」
「嘘だろ」
雄英の広すぎる廊下を歩きながら、寧人と話す。一応、私はA組ということになっている。寧人は原作通りB組なので、クラスは異なる。
「まぁ、いずれ合同授業とかありますよ。たぶん」
「やだ、ずっと被身子といたい」
むす、と頰を膨らませる寧人。
なんだか、随分と好かれた__懐かれたらしく、大体引っ付いてくる。
「じゃあ休み時間はB組に行ってあげるからガマンして」
「う……それなら」
寧人が渋々頷いたのを見て、かなり原作と違ってしまっているな、と思案する。
後々に大きな影響が出なければいいけど。
「ほら着いたから、さっさと入る入る」
B組の教室前、突っ立ったままの寧人に入るよう促す。
「ゔぅ〜、被身子……」
「もー、子どもっぽいこと言ってないで。第一印象は大事ですよ」
ドアを開けて寧人を押し込むと、寧人はくるりと振り返って
「絶対来てよ!」
とだけ言ってドアをやや乱暴に閉めた。
肩を竦め、静かに隣のA組の教室へ向かう。
A組の教室の扉を開けると、まだ人はまばらだった。
廊下側から三列目、つまり窓側から二列目の、前から四番目が私の席。一つだけ飛び出た席は、特徴的すぎる赤と白の彼、轟焦凍の席だ。
つまり私が入ることによって、一つずつズレが生じてしまう。しかし、中途半端なところを飛び出させたな。別に真ん中なわけでもないんだから、いっそ最後を飛び出させればよかったものを。
「おはよ。なぁ、名前なんていうの?」
話しかけてきたのは、前の席の彼。
「渡我です。
口調は、成長するにつれて、体に精神が引っ張られているのか知らないが、これが素になっている。意図して演じる必要がないので、大変楽だ。
「俺な、瀬呂!
「よろしくお願いします、瀬呂くん! ね、 “個性” 何ですか?」
「テープ! この肘から出んの」
自らの肘を指しながら言う瀬呂くん。
「なんか膨らんでるなぁって思ったら。どこまで伸ばせるとかはあるんですか?」
「うーん、最大限は試せるところがなかったからなぁ」
「そっかぁ」
二人で話していると、教室の前方から大声が。
「机に足をかけるな!」
……なんか、いよいよ始まった、という気がした。
100人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
カナ - トガちゃんの成り代わりは私得ですね。笑更新頑張ってください。 (2019年1月29日 23時) (レス) id: 270e06f60b (このIDを非表示/違反報告)
ふらわぁ@無理ゲーはパス。 - ツインテトガちゃん可愛い (2019年1月14日 14時) (レス) id: e44d61dba0 (このIDを非表示/違反報告)
ののいろ系女子 - 成り代わり!しかもトガちゃん!もう大好きが勢揃いで嬉しいです!更新大変だと思いますが頑張って下さい! (2018年12月29日 1時) (レス) id: 8fb3eabd58 (このIDを非表示/違反報告)
ハムぴょん - ああ面白いぃぃ!!!とがちゃん好きだから嬉しい!更新頑張ってください!!!!! (2018年12月17日 21時) (レス) id: e2495abf65 (このIDを非表示/違反報告)
愛と正義 - めちゃ面白いです!! (2018年11月26日 22時) (レス) id: 270e06f60b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ