ほごしゃ ページ6
「そういえば、被身子ちゃん。親戚の人って知ってるかい？」
「会ったこともないですよ」
その会話は、役所を出て、車の中で交わされた。刑事さんは隣に座っている。側から見れば親子のドライブに見えるんだろうか、なんて思ったり。
「うーん、せめて義務教育が終わるまでは保護者がいないとなんだが」
「引き取り手の話ですか。というか、小学校低学年に理解が及ぶかどうかの単語も遠慮なく出してくるようになりましたね」
「君はどうやら世間一般的な小学校低学年ではなさそうだからな」
舌足らずは変わってないけど、と刑事さんは笑いをこぼした。
変わらず、笑っても目が怖い。
「下手したら被身子ちゃんの方が年上とか」
「それはないです」
きっとね、と付け足すと、刑事さんは再び笑った。
「まぁでも、どんなに世間一般的な小学校低学年じゃなくても、身体的な年齢は世間一般と変わらないから、生活する上で保護者は必要だよ」
そう言いながら刑事さんは、助手席に座る私に、いつの間に買ったのか、あるいは持っていたのか、小さなチョコレートを一つくれた。
あ、いちごチョコだ。
「面倒ですね」
「ルールだからな」
「……このベストの人に会えたら、引き取ってくれないか聞いてみます」
養子とか、孤児院行きとかになるだろうけど、それはちょっと嫌だ。
差別してるとか、そういうことではないけれども。全世界の孤児院出身の方に申し訳ないけれども。学校等で孤児院出身と言うと、差別を受けそうだという偏見を持ってしまっている。
「でも、わたし親を殺しちゃってるじゃないですか。罪に問われてもおかしくないですよね？」
「うん？ それは初めて聞いたな」
「あれ？ そうでしたっけ。虐待に耐えかねてさくっと」
「初めて聞いたね。最初に少年院に行くのかって言ってたのはそれか。てっきり孤児院と勘違いしてるのかと」
その言葉を聞くと、もらったチョコレートを口に放る。
「この姿になる前のいじめに、虐待。酷い話だと思いませんか。
刑事さんの目を見る。
訴えかけるように、一音一音を今までよりもハッキリと発音した。
「この姿になる前？」
「そうです。前世ってやつですかね？」
「君は輪廻転生を信じているのかい？」
「それっぽいこと体験したので。この世の中、何でもアリっぽいですし」
「はは、確かに」
会話が途切れる。すこしの沈黙の後、私の家に戻ることに。
シートベルトをつけ、窓の外を眺めて過ごした。
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カナ - トガちゃんの成り代わりは私得ですね。笑更新頑張ってください。 (2019年1月29日 23時) (
レス) id: 270e06f60b (このIDを非表示/違反報告)
ふらわぁ@無理ゲーはパス。 - ツインテトガちゃん可愛い (2019年1月14日 14時) (レス) id: e44d61dba0 (このIDを非表示/違反報告)
ののいろ系女子 - 成り代わり！しかもトガちゃん！もう大好きが勢揃いで嬉しいです！更新大変だと思いますが頑張って下さい！ (2018年12月29日 1時) (レス) id: 8fb3eabd58 (このIDを非表示/違反報告)
ハムぴょん - ああ面白いぃぃ！！！とがちゃん好きだから嬉しい！更新頑張ってください！！！！！ (2018年12月17日 21時) (レス) id: e2495abf65 (このIDを非表示/違反報告)
愛と正義 - めちゃ面白いです！！ (2018年11月26日 22時) (レス) id: 270e06f60b (このIDを非表示/違反報告)
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