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……瞼が重い、意識がはっきりしない。
あ、私寝ちゃったんだ。
一ノ瀬先輩、ナツメと通話して。
相川の圧力に苦笑して。それから……?
それから、相川がバグった。うん、そうだ、あれはバグだ。
あれ……?
私、寝ちゃったんだよね……?
でも今、部屋には相川がいるし。
ベッドカバーはまだ付けていないし。
一体どこで寝…………。
『え……』
「あ、起きた?おはよう」
『えぇっ⁉︎』
少しだけ視線を上にすると、相川がこちらを覗き込んでいた。
……。
相川の膝上で寝てたってことですか、マジですか!
「起きたなら早く退けよ、重い」
『ご、ごごごごごごごめんなさいっ!』
慌てた私は飛び起きるように飛び起きた。
つまり、飛び起きた(主張が激しい)。
「嘘だよ。全然重くないわ。ちゃんと食べてんのか?」
『食べてるよっ!』
「ふーん」
可笑しそうに笑う相川。
面白くないよ、全然面白くない。
うぅ……、絶対顔赤くなってるじゃん。
先程のもので赤くなっているくらいだ。
恋愛経験がゼロと等しい私には耐えられる限度がある。
それを、余裕でこしている。
『ほんと……ごめん』
「別にいいって。男の力舐めてんのか?」
いや、キリリとした顔で言われても困る。
凛々しいとは思うよ?でもさ。
『お前、私より細いじゃん』
こんな奴に力がどうのこうの言われても、説得力に欠ける。
すると突然、腕を掴まれる。
「何が『私より細い』だよ。自分の体見たことないの?」
ぐっと少しだけ力がかけられる。
「……ちょっと力入れただけで、折れちゃいそう」
そんなことないよ。
そう言おうとしても、声が出なかった。
だってコイツ近いんだもん‼︎
距離感バグり野郎。
「だから、Aは僕に守られていればいーの。眠いときは、僕の体貸すし」
ね?
その声は低く響く。
普段声が高い相川も、低い声出せるんだ。
『相川も、一ノ瀬先輩みたいに低い声出せるんだね』
「は、今言うのかよ?」
『だって相川の低い声あんまり聞かないし』
「そういう意味じゃない」
『はぁ?』
「あーもういい。ゲームするから僕の部屋来い」
掴まれたままの腕を引かれ、相川の部屋に連れ込まれる。
ほんっと、いつも急なんだから!
「ッ、少しは僕のことだけ、考えてよ……」
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絵鞠(プロフ) - ぬいめさん» ありがとうございます。期待の真下にあるような作品かもしれませんが、頑張ります! (2022年12月28日 18時) (レス) id: b2d7297930 (このIDを非表示/違反報告)
ぬいめ - 素敵なお話ですね!続きが凄く気になります、これからも更新頑張って下さい! (2022年12月19日 20時) (レス) id: b9e070215e (このIDを非表示/違反報告)
夢猫 - いつまでも待ってます!無理なく頑張ってください! (2022年10月20日 20時) (レス) @page39 id: f1d57ac7c3 (このIDを非表示/違反報告)
絵鞠(プロフ) - 夢猫さん» ありがとうございます。とてもゆっくりな更新ではありますが、待っていてくださいね! (2022年10月16日 13時) (レス) id: b2d7297930 (このIDを非表示/違反報告)
夢猫 - 初見です。夢主ちゃんとまふくんのとても可愛い日常生活を毎回楽しく読ませてもらってます。これからも頑張ってください❣️ (2022年10月4日 16時) (レス) @page37 id: f1d57ac7c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:絵鞠 | 作成日時:2022年3月18日 16時