兄妹デート(仮)。 ページ19
「んー、最初は軽く、メリーゴーランドから行くか」
『観覧車に乗りたいって言ってたくせに』
入ってすぐにあるメリーゴーランドと遠近的に同じ大きさに見える観覧車を見た。
観覧車と比べて、だいぶメルヘンチックなそれも、私は割と好きだった。
「観覧車はやっぱラストだろ!」
『……うん、そうだね!』
入場してしまえばアトラクション(とも言い難い緩い遊具)には乗り放題であった。
笑顔の係員さんに手を振って、白馬に乗った。
それにしても……この白馬、他のと比べると大きくない……?
「よいしょっと」
すると同じ馬に相川が乗った。
「これ、二人乗り用らしいよ」
『そうなんだ』
後ろを振り向くとニコッと微笑まれ、あまりの近さに驚く。
「お嬢様、気をつけてくださいね」
係員のお姉さんにそう手を振られた。
笑顔が素敵ですっ!
係員のお姉さんは私のことをお嬢様……相川は、王子様呼んでいた。
私も相川もそれなりに洒落た服を着ているため、ちょっとはそう見え……なくも無い。
って、違う違う!
兄妹、クラスメイト。
それ以外何でも無い。
白馬に着いたバーを二人で握る。
内側には私の手、外側には相川の手。
案外バーが小さく、手が触れそうになる。
そして自然と、私は相川の腕の中にいる事となる。
「……A、周り見てみて」
声の近さに驚きつつ、顔を上げた。
『わぁ……!』
ホテルが高いところにあるため、ディナーを取っていたレストランからは夜景がよく見えた。
ガラスを省いた屋外では、それがもっとよく見える。
眩しいアトラクションの灯りのおかげで小さな星たちは見えないが、本当に美しかった。
ちゃらら〜。
と、音楽が流れ出す。
「えへへ、案外楽しいね」
同じところをクルクル回るだけ。
その単純さとのんびりさが、逆に幸せと思えた。
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絵鞠(プロフ) - ぬいめさん» ありがとうございます。期待の真下にあるような作品かもしれませんが、頑張ります! (2022年12月28日 18時) (レス) id: b2d7297930 (このIDを非表示/違反報告)
ぬいめ - 素敵なお話ですね!続きが凄く気になります、これからも更新頑張って下さい! (2022年12月19日 20時) (レス) id: b9e070215e (このIDを非表示/違反報告)
夢猫 - いつまでも待ってます!無理なく頑張ってください! (2022年10月20日 20時) (レス) @page39 id: f1d57ac7c3 (このIDを非表示/違反報告)
絵鞠(プロフ) - 夢猫さん» ありがとうございます。とてもゆっくりな更新ではありますが、待っていてくださいね! (2022年10月16日 13時) (レス) id: b2d7297930 (このIDを非表示/違反報告)
夢猫 - 初見です。夢主ちゃんとまふくんのとても可愛い日常生活を毎回楽しく読ませてもらってます。これからも頑張ってください❣️ (2022年10月4日 16時) (レス) @page37 id: f1d57ac7c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:絵鞠 | 作成日時:2022年3月18日 16時