02 / 直談判 ページ15
◆
『よーやく話せますね理事長！』
場所は変わって理事長室。俺の心は先ほどまでとは打って変わって晴れ晴れとしていた。
何せ、イルマくんによる禁忌呪文を披露された直後である。興奮がまだ収まりきらない。
『お孫さんの禁忌呪文素晴らしかったです。最高でした！彼があんなに肝が座ってるって知らなかったっす…先にいってくれればよかったのに！！』
｢うんうん、臨時SDにやる気出してくれたみたいでよかった｣
理事長は満足げな表情を浮かべながらカメラを弄っている。孫の録画を確認しているらしい。
｢それで、話って？｣
理事長はカメラから視線を上げることはない。話すなら勝手に話せ、ということだろうか？
俺は一瞬考えた後、はっきりと言うことにした。
『イルマくんのクラスの担当になりたいです！』
そう、俺がしたかった話、というのは＿＿”直談判 ”である。
あまりにもそのことが唐突だったのだろうか、理事長は思わず視線を上げていた。
｢Aくんが担任を持ちたいというのは＿＿珍しいね。今までクラスを持つのを散々嫌がってきたのに｣
『あっ我儘なんですけど、できれば担任じゃなくて副担任が良いかなぁ…いやイルマくんのクラス担当であればなんでもいいですけど』
｢……何か心境の変化があったの？｣
理事長が目を細める。
突然だが、俺はバビルスの教師に就任してからもう既に数年は経過している。今まで何度も、クラスの担任になることを職員会議で打診されてきた。
＿＿でも、俺は全部断った。
理由はただ1つ、”面白くなさそうだったから ”。
俺は悦楽主義者だ。退屈しそうなものなら俺は全部却下する。
けれど、今回こうやって直談判で立候補しているのは、俺が入学式で彼の活躍を見たからだ。
そう、イルマくんの活躍を。
『正直、最初は臨時でもSDとか冗談じゃねぇって思ったんですけど＿＿』
実の所、朝校門で話がしたいと言っていた時と今では、この直談判の理由は異なる。
あの時は、SDなら少しでもそばに居るべきだと思って直談判しようと思っていた。
今は違う。
『今俺すげぇ、イルマくんに興味があるんですよね…！』
理事長は俺の話に静かに耳を傾けていた。
やがて、温厚な笑みを浮かべ＿＿
｢分かったよ。明日の職員会議で打診してみよう｣
◆
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ごぼろん(プロフ) - めちゃめちゃ面白かったです！！主人公の性格好きすぎるっ(笑) (4月20日 19時) (
レス) id: 8df60f87e3 (このIDを非表示/違反報告)
進撃のBAKA - ふぁあああ超よかったです、、、。 (3月4日 22時) (レス) @page29 id: c9bdcb4418 (このIDを非表示/違反報告)
白亜紀(プロフ) - 抹茶ねこ。さん» 抹茶ねこ。さんこんにちは！薬学いいですね！！貴重なご意見ありがとうございます〜！ (9月29日 19時) (レス) id: 307c896a12 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶ねこ。 - こんにちは！非ログですが楽しく読んでます⸜(*ˊᗜˋ*)⸝ 担当教科、薬学とかどーでしょ!?(*´ ꒳ `*) (9月29日 17時) (レス) @page13 id: ab71a77d12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白亜紀 | 作成日時：2023年9月27日 16時
