〃 ページ13
◆
おずおずと壇上に登ったイルマくんは微動だにしない。数秒、十数秒経っても＿＿ぴくりとも動かない。
否、動けないというのが妥当だろう。
しかしそんなことお構い無しに、講堂には生徒たちのざわめきが広がっていく。
｢おおっ本物だ。写真と同じ｣｢ひょろいな…強いのか？｣｢バカ、理事長の孫だぞ、強いに決まってんだろ…見ろ｣
｢この観衆を前にして微動だにしないぜ｣
純粋な生徒に心の中で教えてあげよう。多分彼は微動だにしないとかじゃなくて動けないんだ。
おいおいどうするんだ、と舞台裏から教師席に戻ってきた理事長に顔を向けるが、カメラを回すのに必死でこちらに気がつく素振りがない。孫馬鹿め…！
流石にこの人数の前にイルマくんを置くのは無茶がすぎるだろう。俺が行くしかないのか。
教師席を立とうとした、その瞬間＿＿
｢あべるはぅけ、＿＿｣
その口頭魔術の始まりは、”悪魔なら ”誰しもが知っている。
｢禁忌呪文！？何を考えて＿＿｣
隣のモモノキ先生が思わず立ち上がったのを見て、俺はそっと指に人差し指を立てて抑える。
もう読み始めたんだ、俺たちには固唾を飲んで見守るほかないだろう。モモノキ先生は俺を見て、切迫した様子でもう一度着席した。
｢＿＿すとぅまぬ、あべるげ、うる＿＿｣
緊迫した空気が講堂を支配する。禁忌魔法の手前、誰も動くことが出来ない。
動いた瞬間に、理事長の孫＿＿もとい、三傑の孫が爆発する可能性があるからだ。
そんな責任、誰にも負うことができない。
しかし。
｢＿＿つれざざ…｣
彼は、言い切った。
◆
---------------------------------------‐
作者の白亜紀です！！サリバン家ご令孫の臨時SDをご愛読頂きありがとうございます
唐突ですが皆さまに作者からおねがいごとがありまして、A先生の担当教科を皆さまにも考えて頂きたいです！
冒頭のATTENTIONに書いたのですが、実はコロナで圧倒的な時間を余した作者が完全見切り発車で作った部分がありまして、自分の落ち度が原因なのですがなかなか担当教科が決まらず…
案につきましてはコメント欄で募らせて頂きたい次第です
暫くの間募集しようと思うのでどうぞお気軽にご意見をお聞かせください！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 81人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ごぼろん(プロフ) - めちゃめちゃ面白かったです！！主人公の性格好きすぎるっ(笑) (4月20日 19時) (
レス) id: 8df60f87e3 (このIDを非表示/違反報告)
進撃のBAKA - ふぁあああ超よかったです、、、。 (3月4日 22時) (レス) @page29 id: c9bdcb4418 (このIDを非表示/違反報告)
白亜紀(プロフ) - 抹茶ねこ。さん» 抹茶ねこ。さんこんにちは！薬学いいですね！！貴重なご意見ありがとうございます〜！ (9月29日 19時) (レス) id: 307c896a12 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶ねこ。 - こんにちは！非ログですが楽しく読んでます⸜(*ˊᗜˋ*)⸝ 担当教科、薬学とかどーでしょ!?(*´ ꒳ `*) (9月29日 17時) (レス) @page13 id: ab71a77d12 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：白亜紀 | 作成日時：2023年9月27日 16時
