マフィアに檸檬を送ろう【中原中也】

檸檬１６ ページ16

「,……」


「……」



「まじか…？」


「まじ、デス」




よりによって、私の元上司は





組織の【裏切り者】で、





中原幹部が【最も嫌いな奴】








太宰治なのだ。









彼のもとで働いたのはほんの僅か。


彼が組織を抜ける、一ヶ月半程度だけ。




彼の相棒だった中原幹部が私のことを知らないのは無理もない。


丁度、中原幹部は尾崎幹部と任務に出ていた時のことである。





太宰さんの幹部補佐になった理由は、

異能の操作の件で、首領が提案したことだ。

当時の私は焦っていた。



にぃさんの役に立ちたいと思ってポートマフィアに共に入った。



なのに、異能が上手く扱えず私はにぃさんの足を引っ張るばかり。




「太宰くんのもとでなら上手く扱える様になるだろう」


と首領から言われ少しの間だけだが部下として仕事をした。








【君の異能は君の精神状態に

よって爆破の威力が変わる】







初めて太宰元幹部に会った時の言葉は私を驚かすのには十分だった。





それから、太宰元幹部直属部下の芥川くんと一緒に任務や訓練を行なったり、



幹部がやらない資料整理などをかわりにしたりなど幹部がマフィアを抜けるまで僅かの間幹部の下で働いていた。



異能力は彼のおかげで扱えるようになった。

裏切り者だけど、ほんとに感謝し…




待って、


今考えたら資料整理ばかりしてかもしれない…


全部押し付けられたような…

何故あのように仕事が溜まっていくのだろう。



今、彼の同僚の胃には穴だらけだろうな…

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