マフィアに檸檬を送ろう【中原中也】

檸檬１２ ページ12

「ご馳走様でした」






立原君と世間話をしながらの食事は楽しかった。

黒蜥蜴でよくやっているようだ。


時々、銀ちゃんと広津さんと喧嘩？みたいなのをしてるらしいけど…




「ふぅ、」




私は食後の
檸檬茶【レモンティー】を
堪能する。



「相変わらずだなぁ。
毎日毎日、飽きないのか？」


「？愚問ですね。




私の身体は

檸檬無しでは生きていけないのです。
その為に毎日毎日飲んでいるンですよ。


絶対飽きません」



「そうかよ。


そういえば兄貴も檸檬茶好きなのか？



兄妹揃って檸檬好きだしな」



「いえ、にぃさんは」


「僕は檸檬茶はAほど好きという訳ではない。檸檬の美しき紡錘形が好きなのだよ」


「！にぃさん、」



突然私の隣から顔をだす梶井基次郎、私の唯一の家族で、にぃさんだ。



少しだけ、焦げ臭い。



「…実験お疲れ様です」


「嗚呼、妹よ。
丁度いいところにいた。
実は後で実験の手伝いを頼みたいのだ」


「！分かりました。

(久しぶりの実験！！
はっ、取り乱してはいけない。
平常心平常心)

じゃあ午後３時に、にぃさんの実験所に行きます」


「頼んだよ」


「あっ、にぃさん。
今夜は任務はありますか？
あるなら、」


「嗚呼、任務は無いけど晩御飯は外で食べてくるよ」


「分かりました」



「じゃあ」



ヒラヒラ、と私より大きな手を振りながらにぃさんは自身の実験所へと続く廊下を歩いて行った。


書類仕事を早く終わらせないとな。中原幹部にも後で先程の事、謝らないと。


「直ぐに手伝いに行かなくて良かったのか？」



「ええ、あの物言いなら直ぐにではなくてもいいって事ですよ、


急ぎなら私を引っ張りながら早口で実験の内容、どれだけ偉大な事をするなど説明してくれますから」





「(引っ張るって…

あー、そういえば前引きづられてたな。


仲良く晩御飯の有無を確かめている時点じゃ、周りから見ればどっかの円満夫婦みたいだな)



夜空いてるなら、俺と飯行かね？」




「！いいですけど、


その前に少しだけ銃を教えて下さい。今度任務があって、
鈍っていたら中原さんに迷惑をかけでしまう可能性があるので」



「良いぜ」


「では、失礼します」


立原君と別れ私は
中原幹部の執務室へ向かう。

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