アリスが女王に勝つ方法

17 Queen ページ17

「お帰りなさいませ、紀香お嬢様」
「ただいま」

黒原財閥取締役一族の筆頭である自宅(うち)は、都内の一等地に立っている。
その中でも、3階にあるウチの部屋からみる風景は最高で、イラついた時は上からの風景を楽しんでいた。

うちは、美しくて、生まれながらのお嬢様。

「…紀香お嬢様！旦那様がお呼びです！」
「パパが？」

ウチに甘くてどんな願いでも聞いてくれるパパ。
そんなパパが、何の用？
首を傾げながらパパのいる書斎に向かう。

「なに？パパ…」
「紀香、夢生学園が黒原からの寄付金は受け取らないと言ってきた」
「え…？」

がぁん、と頭を殴られたような気持ちになる。
ウチが夢生で好き勝手やって許さらてる理由は、黒原財閥(うち)が夢生に莫大な寄付金を払っているから。

ウチの寄付金で校舎を建てたと言っても申し分ないくらいだ。

「はぁ⁈どういう事よ！夢生は黒原の寄付がないとやっていけないはずよ！馬鹿なの⁈」
「違うんだ、紀香…今までウチが払っているレベルの寄付金を、今度はあの、リゲルコスメが払ってくれると言ってきたんだ」
「夢生は、…OBかOGじゃないと寄付金は受け付けないはずでしょ。知ってる限り、リゲルコスメレベルのお嬢様は居なかったような」
「高等科に今度転校してきたらしい。名前は…Aとかいったかな」

アリス！

「今まで黒原が払ってくれていた分リゲルが払ってくれるから、紀香はもうこれから学校での優遇は適用されない。黒原財閥なんか、こうなったら怖くないと言ってきた」



え…⁈じゃあ、ウチは…



「理事長直々の申し出だ。断れなかった。」



夢生学園の女王の座を、



「今度の理事長の愛人の人に、そう言われたとかだ。今度の愛人に理事長はベタ惚れで…何にも逆らえない状態みたいだ。名前は美春とかいったかな」




アリスに、







奪われたって、こと…？

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