アリスが女王に勝つ方法

18 Queen ページ18

翌朝は学校に行きたくなかった。
休もうかと思ったけど、休んだらアリスに負けたことになる。それだけはどうしても嫌だったし、様子も見たいから、鞭打って学校へ行った。

そしてびっくりした。
まず玄関であった、黒原財閥の取引先の娘たち、いつも挨拶してくるのに、スルーした。

「ちょっとあんたたち！ウチを無視したよね⁈」

肩を掴んだ。
そして、振り払われた。

「取引先を、黒原財閥からリゲルブランドに変えたんだ。負債も全部返済した貴女にヘコヘコする義務なんかないわ」

そう言ってスタスタ歩いていく。
唖然としていると、邪魔だよ！と押される。
ウチのイジメを黙認していた先生たちも、今までの恨みとばかりに目の敵にして、昼休みに差し掛かる頃には既にウチの自尊心はズタズタ。

麗央だけは普通に接してくれたけど、Aがひと睨みするだけで怯えたようにウチからなんだかんだと理由をつけて離れていく。

白石ホールディングスとリゲルブランドで、連携して事業を始めたらしい。融資もしているから、Aに睨まれたらおしまいだからって。

なんでなんでなんでなんで⁈
なんでウチの思い通りにいかないの⁈

Aはそんなウチをみて、蔑むように笑う。
ついに、ウチの中の何かが切れた。

分かってた。
権力も何もないウチが、Aを殴ったりしたらダメだって。

分かってても、Aの胸ぐらを掴んで、拳を握っていた。

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