14 Queen ページ14
ウチの朝は黒原家に仕えるメイドの声で始まる。
「おはようございます、紀香お嬢様」
「あぁ、おはよう。朝はフレンチトーストとワッフル、ティーはレモンよ。早くして頂戴！」
「はいっ！」
メイドがバタバタと行ってしまうと、夢生のセーラー服に着替える。
本当は白に赤いリボンなんだけど、ウチは黒いリボンにかえてる。
誰も何も言わない、黒原財閥の威力はすごいから。
ウチは完璧。
見た目も美しい。家は黒原財閥だし、小さい頃からの英才教育で基本何でもできる。
だから、なにも出来ない、要領の悪いやつを見るとイラついてしょうがない。
目障りだからとっとと排除する。そういえば、初等科にもいたな、ウザいやつ。アリスと同じ名前だったような…覚えてないけど。
イギリスかどっかに行った気がする。行った先でもどうせ肥えていじめられてるんだろう。
クスクス、と笑っていると、どうやら朝ごはんができたらしく、執事が呼びに来る。
ダイニングで朝食の後は、黒いリムジンで夢生まで行く。
白いBMWが途中から合流。麗央だ。
「お早う、紀香」
「麗央。深月は？」
「そういえば遅いな。まぁ、すぐ来るだろ」
赤いアウディーはいつになっても来ない。今日は休みなのか。
そして、ホームルーム。
担任の紅兎は、出席簿を見て首を傾げてる。
「赤城に…リゲルも遅刻か？珍しいな」
2人揃って遅刻、に胸騒ぎを覚える。
モヤモヤしていると、ホームルームも後半に差し掛かって2人が滑り込んできた。
「遅刻だ！…ぞ、おい2人とも、…」
紅兎が固まる。それに合わせて振り向く。
そこには、恋人繋ぎをして、深月はブレザーのボタンを締めていないし、ネクタイもダランとしていて、シャツのボタンなんか一個かけ間違えている。
アリスはセーラー服のスカーフはぐちゃぐちゃだし、髪には寝癖、スカートもプリーツなのにちゃんと伸ばして座らなかったからだろう、シワができている。
「…もしかして、と思うが…」
「A今日から俺の女だから。手ェ出したらぶっ殺すぞ」
嘘でしょ！
ギリ、と唇を噛む。深月は騙されてる。あいつは、あいつの目は…
女の勘、と言ってもいい。獣の目をしている。
そして、アリスは私と目が合うとにっこりと微笑んだ。
薔薇が後ろに見えるくらい美しい笑みだったけれど、
酷く、怖かった。
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りりいゆ - なんですかこの神作は。最高じゃないですか。 (2023年1月16日 19時) (
レス) id: 4ccaad0680 (このIDを非表示/違反報告)
引きこもり隊 - この小説見つけられてよかった！！！！こんなに面白いのは初めて！！！！復讐劇系が面白いと思えたのも初めて！！ (2023年1月9日 12時) (レス) @page23 id: af8345609d (このIDを非表示/違反報告)
西園寺氷空音(プロフ) - lkwistervenさん» そうですね！！やっぱそうですよね！ (2019年8月12日 18時) (レス) id: 79f8ec9787 (このIDを非表示/違反報告)
lkwisterven - 西園寺氷空音さん» きっとそうだよ！私もだから！作者様って語彙力高いよね！ (2019年8月12日 12時) (レス) id: c9c05fe7f4 (このIDを非表示/違反報告)
西園寺氷空音(プロフ) - このアリスちゃんどっちかというと悪女になってきてるのにイライラしたりしない……なぜだ……そうか！作者様の語彙力がありすぎるからだな (2019年8月11日 14時) (レス) id: 79f8ec9787 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あーみ | 作成日時：2018年4月7日 17時
