3,体験開始 ページ4
準備諸々が終わり、体験が開始できる状態になった。
体験に来ている一年生は、目があまりよくない俺が数えて、ざっと30人程度。
俺らの時と同じくらいだな、と思っていると、
三人の女子が、体験希望の奴等の中に紛れ込んでいる。
一人は真剣な目付きで待っているが、
一人はどこか明後日の方向を見て待っていて、
一人はニヤニヤしながら待っている。
マネ希望の子は真剣にやってほしいため、
この時点で真面目に待っていなければ、即刻帰ってほしいのが本音だ。
及川さんと岩泉さん、花巻さんや松川さんが前にやって来て、
青城男子バレー部についての説明を始めた。
青城は北川第一からの入学者が多いため、
体験の半分を占めている元北川第一生徒は、
大半が「わかってるよ、これくらい。」とも、
感じ取れる表情をしながら聞いていた。
あ、ちなみに俺はバレーは高校からだし、北川第一出身じゃないからな。
説明が終わり、早速体験が始まった。
スタメンプラスアルファはバレー経験者と練習試合、
二軍、三軍はバレー初心者を教える、という割り振りになった。
「よ、よろしくお願いいたします!」
元気に挨拶するその子は、1-3の
バレーはテレビで見るのと、体育でやったぐらいだしい。
「おう、よろしくな。」
そういうと、勇也は「バレー、教えて下さい!」と、
子犬が尻尾を振るようにキラキラした視線を俺に送ってくる。
俺はちょっと待ってろ、とだけ言い、ボールを二つ取りに行った。
すぐ帰ってきたが、何やら悪い意味で騒がしい。
勇也に「ちょっと待ってろ。」とだけ言い、騒ぎの場所へ向かう。
「何よ!このアホ!」
「アホはそっちよ!」
「ふ、二人とも。喧嘩はやめて……。」
裏の水道で、真面目な顔つきで話を聞いてなかったマネージャー希望二人が喧嘩を起こし、
真面目に話を聞いていたマネージャー希望の女子が、二人を宥めようとしている。
俺はあの二人に呆れ、とりあえず及川さんを呼びに練習試合中のコートに行った。
「及川さん。ちょっと今、騒ぎが起きたので、来てくれませんか?」
及川さんは頭に?を浮かべていたが、すぐにわかった、とだけ言い、
騒ぎが起こっている水道へ、俺は案内した。
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作者名:青蘭味の何か@歌詞タグ撲滅委員会@ノーアル団 | 作成日時:2018年4月26日 23時