学園 ページ4
捜索が終わり、教師陣とくのたま、忍たま六年生の選抜メンバーは
すでに学園に戻っていた。
保健委員会は保健室で天女の治療にかかり、
その他の忍たまとくのたまたちは、長屋の自室で待機していた。
「はぁ…またなんかやらかすでしょ、絶対に」
そういうと、同室の雅は障子のほうに向かって不貞腐れるように寝っ転がった。
私はまぁまぁ、というと、さっき読んでいた巻物に視線を戻す。
巻物をずっと読んでいく。
「羽衣伝説」と書かれた巻物を。
羽衣伝説を読み終え、私は昼寝をしようかとしたとき。
仕切りを隔て、向こう側にいる雅が私の名前を呼んだ。
「A。」
「どうしたの?急に私の名前を呼んで。」
すると、雅は仕切りから顔を出した。
真剣な顔で私を見つめてくる。
「もし、私が
死んだらさ、どうする?」
悲しむに決まってるじゃん、と私は少し怒り口調で言う。
冗談でもそんなことを言ってほしくない。
「そうか〜。
じゃあ、逆にあたしが天女を天に還したら、どうする?」
「えっ、別にいいかもしれないけど...
天女自体は悪くないんだし。
天女じゃなくて、天女の心に住む悪魔を祓えば、
みんな平和になれると思うよ。」
それを言うと、雅はまたでた〜、
と言わんばかりの溜め息をついた。
私はそれを見て、少しだけイラついた。
自分のの考えがバカにされているから。
「悪魔悪魔って...。
たしかにそうかもしれないけれど、結局は悪魔に負けた
天女たちが悪いじゃん。
中途半端な天女の援護、やめたら?」
おやすみ、と雅はあきれた口調で言うと、
すぐに鼾が聞こえてきた。
私はいてもたってもいられなくなった。
普段は仲がいいけれど、流石にあそこまで言われるのは
心外だし、人の意見を理解してくれないことに腹が立ったからである。
もう、空は橙色に染まり始める時刻。
まだ、長屋謹慎はとけていないけれど、
私は里に出て気分転換したいと思い、とりあえず、
学園から出る準備をしようと、立ち上がった。
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作者名:青蘭味の何か | 作成日時:2018年4月14日 22時