chapter1-2 彼女とキリル ページ4
善法寺side
次にやって来たのは、男の人だったんだ。
眼鏡をかけている、茶髪の青年。
ゼンマイがついている小さな黄金の箱を持っていたんだ。
それは...
「オルゴールのこと、ですか？」
「そうだね、正解だよ、左近。」
話に戻るね。
オルゴール職人の彼、キリル=クロックワーカーさんも、
メータさんと同じような世界から来たみたい。
そして僕たちはまた、耳を疑う会話を聞いたんだよ。
「あ、キリルさん！」
「あ、えーと...」
「アイリスですよ。」
「あぁ、アイリスさんですか！」
などの、会話をしていたところを聞いたんだ。
また、知り合いか、と思いながらね。
「そっちの方を見ていたわ。罪を動かしたのはアレだけども。
王国は共倒れ、か...」
「エルルカやイリーナは、どうなったんだ？」
「あぁ。また今度話すよ。」
「そうか。わかった。」
さて、ここでもおかしい点はあるんだ。
気づくかな。
まず、数馬から。
そういって数馬を見た。
数馬は落ち着いた様子で、こう答えた
「うーんと...
また、アイリスと名乗っていたこと、ですか？」
「そうだね。アイリスはたぶん、偽名だと思う。」
じゃあ次は左近だね、といって左近を見る。
左近は慌てながらもこう答えた
「罪を動かした、とは、ということですか？」
「そう。罪、というもの自体僕はまだ分かってない。
もしかしたら、何かの別名かもね。」
そういい終わって、次は伏木蔵を見る。
スリルとサスペンス〜といっている。
「伏木蔵、次だよ。」
「あ、はい。うーん...
王国は共倒れ、ということですか？」
「そう。王国って言っても、僕たちに心当たりはない。
でもね、この前、仙蔵が見つけたんだ。黒い箱を。」
「あぁ。あれですか。」
「そうだね。何か、あれに仕掛けがかけられてるんじゃないか、って。
今、研究しているんだ。長次と仙蔵で。」
そう。この前、中庭で仙蔵と長次が見つけたらしい。
黒い箱の側面には、「BLACKBOX-N」って、
書かれてるらしい。
みんな結構目を輝かせながら話を聞いている
確かに、その気持ちもわかる。
「じゃあ最後に乱太郎。」
「名前が出てた、エルルカとイリーナ、ですかね...」
「僕もそれについては手がかりがないんだよね。」
事実、エルルカとイリーナについては、
まったく解明できていない。先輩も、みんなも。
「時宮さんって、すごいですね！」
「なんか、平行世界を行き来できそうですよね。」
と、乱太郎、伏木蔵。
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作者名：青蘭味の何か | 作成日時：2018年3月16日 18時
