陸話 「仮面ノ下」 ページ39
「犬」になって、２週間経った。
「犬」という位は本当にしんどかった。
僕は、
今までまひとくんがされてたことを見てきたけれど、
「精神的な追い込み」
「暴力」
ほかには、物を隠す、
水をかける
といった典型的なものだと思っていた。
僕は子供の時からよく転けていて、痛みには慣れていたからきっと大丈夫。
そう思っていた。
でも、違った。
人それぞれされることが違う。
ゆきむは僕の首を絞めたり、足やお腹といった見えない部分をカッターで切る。
ばぁうくんやそまちゃは、空き教室に連れてかれて色々なことをされる。
…色々なことだ。
しゆちゃは… 相変わらず分からない。
殴るも蹴るもしない。
けど、助けもしない。
ただ、僕の近くでスマホを触っているだけだ。
あの日以来、このユートピアが怖い。
けど、分かったことがある。
従順にすればいいんだ。
僕は笑った。
なるべく明るくした。
全部全部受け入れた。
けど、
その頃には本当の涙も
笑い方すらも
忘れてしまった。
本当の僕はどこにいるの？
此処はゆきむのユートピア。
いつまでも続くいじめにも慣れた。
なのに、
寂しいよ。まひとくん
「こんな飯事」
そうだね。
君の言う通りだったね。
ごめんね。
割れた鏡に映る根腐れの笑顔には、もう値打ちなんてないのに。
それなのに…
「てるちゃんをいじめないでよ。」
『まひとくん？』
どうして？
『…どうして？』
「…てるちゃんは僕の友達だから。」
「は？」
ゆきむがまひとくんを睨み付けた。
「僕に何してもいいから。だから、てるちゃんだけは…」
「ははっ、いいよ。じゃあねてると。」
ゆきむは僕の肩に手を置くとそまちゃらを引き連れて帰っていった。
『まひとくん…駄目…。』
「てるちゃん。僕がいじめを受けたら、前みたいな楽しい日々が帰ってくるよ。
だから…
ごめんね？大好きだよ。ﾄﾞｻｯ」
なんで、幸せはいつも隙間を零れ落ちていくのだろうか？
もういっそ、全部壊して星ひとつない夜に、君は落ちていった。
『僕も今逝くよ？』
メリーバッドエンド？
『大好き…ﾄﾞﾁｬｯ』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 11人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
十五夜 - 更新ありがとうございます！ほんと神ってますね！季節の変わり目なので体調にはお気をつけてください (2021年9月14日 17時) (
レス) id: 60d1d84311 (このIDを非表示/違反報告)
雪音くん。 - 孤独の宗教大好きなので読んでてめっちゃ楽しかったです！リクエストで、ばうまひで夜に駆けるお願いします！ (2021年9月13日 20時) (レス) id: 07fdfe6512 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - あいろまさん» カレシのジュードめっちゃよかった！！！ゾクゾクした。。 (2021年9月13日 16時) (レス) id: afebd1bb00 (このIDを非表示/違反報告)
あいろま - 十五夜さん» 頑張って書けました(o^−^o) (2021年9月12日 6時) (レス) id: 6e4e41c97d (このIDを非表示/違反報告)
十五夜 - あ！孤独の宗教だ！リクエストに応えてくださってありがとうございました！ (2021年9月11日 16時) (レス) id: 60d1d84311 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あいろま@眠い | 作成日時：2021年8月3日 18時
