21、そこは不気味なるいん ページ21
××
「ここがドワーフ鉱山、か……一昔前は魔法石の採掘で栄えたらしいが……」
「なんか不気味なんだゾ」
明日の朝までにシャンデリアに使われた魔法石を持って帰ることが出来なければ即退学、という条件つきで私は魔法石があるとかいうドワーフ鉱山なる場所まで鏡でワープさせられた。もう何も驚かなかった。
(そもそも……退学とか1ミリも私に関係ないんだよな……)
完全に雰囲気に呑まれてついてきちゃったけどこの学園の生徒じゃない私には全く関係ない。ああ……でもあの寮から追い出されたら行くところがないし、こんなわけのわからん世界で野宿は心細すぎる。誘拐されたら嫌だし。あとせっかく部屋の掃除もしたんだし。
「あ、奥の方に家がある。話聞きに行ってみよーぜ」
やなヤツが指差した先には、貞子やあの例のゴキ……黒いやつが住みついていそうなボロッボロな家があった。
(いやいやどう見ても話聞ける人間はいないと思うんですけど！？)
いても貞子ちゃんかゴキちゃんだけだよ！！
だってどう見ても人が住める環境じゃねぇもん！！私の(心の中での)訴えも虚しく、やなヤツに続いて謎生物やシャンデリア男もボロ家に進んでいった。どんな神経してるんだろうあいつら。
「……Aちゃん？大丈夫？」
「えっ、あ、う、うん……」
「そっか……なんか思い詰めた顔してたから……じゃあ行こっか」
人間の男子も特に気にした様子はなく、彼らの後を追いかける。男子ってやつはみんなこうも神経が図太いものなのだろうか……ある意味頼もしいような……
「こんばんは〜って空き家か」
私の予想通り、そこには誰もいなかった。
朽ちたコンクリートに至るところに作られた蜘蛛の巣。壁はひび割れが目立っているし、どれだけ中の掃除を頑張っても絶対に住むことは不可能だろう。
「なんか……机とか椅子とか全部小さくねえ？子ども用かな？」
「いち、に……七人！多っ！」
大家族だったのだろうか……？
ただの廃墟かと思っていたが誰かが住んでいた痕跡が残されていると余計に気味悪くなってきて、ぶるりと全身が冷えた。
「ま、ここにいてもしゃーないな。
魔法石があるとすれば炭鉱の中だよね。とりあえず行ってみよーぜ！」
こんな状況にも関わらずやなヤツは元気そうだ。
流石圧倒的なグリフィンドール感を漂わせているだけはある。主人公感が強い。
(まあでも……主人公にしてはちょっと……いやかなり性格がお悪すぎるような気もするけど……)
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柊あんず(プロフ) - 洸さん» コメント返信遅くなってしまい申し訳ありません…画力やばいですよね…表紙絵見るたびに惚れ惚れします…更新頑張りますね…！！ (2022年5月5日 17時) (
レス) id: 69139934db (このIDを非表示/違反報告)
洸 - 待て待て待て待て画力チートか？画力高杉な？めちゃくちゃ綺麗じゃないっすか。話も素敵です！更新待機。 (2022年4月24日 16時) (レス) id: 2f1dccb094 (このIDを非表示/違反報告)
柊あんず(プロフ) - 櫻陽花さん» コメントありがとうございます！ただいま訂正させていただきました〜！ありがとうございます (2021年3月29日 15時) (レス) id: 69139934db (このIDを非表示/違反報告)
櫻陽花(プロフ) - 序盤の鉱山内での台詞ですが…5年ではなく10年だったと思います…… (2021年3月28日 21時) (レス) id: 07bd924354 (このIDを非表示/違反報告)
柊あんず(プロフ) - 鮎さん» コメントありがとうございます〜！襲いくる数々の理不尽…！耐えるんだ！多分、三章くらいではメンタルムッキムッキな女の子になっていると思いますね(遠目) はい、更新頑張ります…！！ (2020年6月28日 1時) (レス) id: 30d83766f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんず
| 作成日時：2020年5月30日 23時
