14、それ行けあずかばん！ ページ14
××
それから二人と一匹で学園まで続く道を歩いていた。魔法学校というだけあって建物も浮き世離れしている。……今頃、向こうではどうなっているんだろう。私がいなくなったと捜索届けくらいは出してくれているだろうか？そもそも私がいないことに気づいているんだろうか……？
「昨日はよく見てなかったけどこの石像は誰だ？」
謎生物の言葉に視線を石像に移す。
そこにはなんとなく既視感のある石像が七体並べられていた。しかもみんな顔が怖い。
「このおばちゃんなんか特に偉そうなんだゾ」
「───ハートの女王を知らねーの？」
突如飛んできた一つの声に後ろを振り向く。
「昔、薔薇の迷宮に住んでいた女王だよ」
癖のある茶髪に、真紅の瞳。
だらしのないネクタイの結び方に赤のスニーカーを履いたグリフィンドール感の漂う男子生徒だった。そして目尻に描かれたハートの模様……外見の主張からして絶対モブじゃないタイプのやつだ。
「───っていうか、オマエは誰だ？」
「オレはエース。今日からピカピカの一年生。どーぞヨロシク」
「オレ様はグリム！大魔法土になる予定の天才だゾ。こっちの冴えないのはユウ。オレ様の子分なんだゾ」
(……あれ……私は？)
気がつけば自己紹介が始まっていて、謎生物は人間の男子だけ紹介した。あれれ〜可笑しいぞ〜？もしかしなくとも私、忘れられてる〜？
「えっと……二人ともAちゃんが、」
「なあなあエース。それじゃあっちの目に傷のあるライオンも有名なヤツなのか？」
「もちろん！」
人間の男子がもう一度自己紹介タイムに戻そうとしてくれたが、謎生物が遮ったせいで完全に自己紹介は終わってしまった。
……うーん、シンプルに辛い。
何が一番辛いかって人間の男子がさっきから捨てられた子猫を見るような慈愛と同情に満ちた眼差しで私をチラ見してくることだ。私が陽キャ一軍属性だったら「私は一万くらいしかダメージ負ってないから大丈夫だよん☆」と軽いノリで返せるが残念ながら私は陰キャだった。そう、陰キャだった(二回目)
「───ブッ！！あははっ！もう堪えらんねぇ！！」
突如、青年は豹変した。
それはもう見事な悪役の笑い方だった。
「なあお前ら昨日入学式で暴れてたやつらだろ？闇の鏡に呼ばれたのに魔法が使えないやつとお呼びじゃないのに乱入してきたモンスター……あ、あと影薄そうな陰気臭い女！……ん？でもここにはいねーな」
はいこいつアズカバン。アズカバンな。
**
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柊あんず(プロフ) - 洸さん» コメント返信遅くなってしまい申し訳ありません…画力やばいですよね…表紙絵見るたびに惚れ惚れします…更新頑張りますね…！！ (2022年5月5日 17時) (
レス) id: 69139934db (このIDを非表示/違反報告)
洸 - 待て待て待て待て画力チートか？画力高杉な？めちゃくちゃ綺麗じゃないっすか。話も素敵です！更新待機。 (2022年4月24日 16時) (レス) id: 2f1dccb094 (このIDを非表示/違反報告)
柊あんず(プロフ) - 櫻陽花さん» コメントありがとうございます！ただいま訂正させていただきました〜！ありがとうございます (2021年3月29日 15時) (レス) id: 69139934db (このIDを非表示/違反報告)
櫻陽花(プロフ) - 序盤の鉱山内での台詞ですが…5年ではなく10年だったと思います…… (2021年3月28日 21時) (レス) id: 07bd924354 (このIDを非表示/違反報告)
柊あんず(プロフ) - 鮎さん» コメントありがとうございます〜！襲いくる数々の理不尽…！耐えるんだ！多分、三章くらいではメンタルムッキムッキな女の子になっていると思いますね(遠目) はい、更新頑張ります…！！ (2020年6月28日 1時) (レス) id: 30d83766f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんず
| 作成日時：2020年5月30日 23時
