11、こんばんはごーすと ページ11
××
ただただ気まずい雰囲気の中、黙々と掃除をしているとぽつりぽつりと雨が降って来る。
その矢先のことだった───
「ぎえーー！急にひでぇ雨だゾ！！」
その声が、聞こえたのは。
「───うっぎぃゃあああ！！」
「ぎゃあああ！？な、なんなんだゾ！？」
「Aちゃん落ち着いて！ほら、あいつだよ！あの狸だよ！」
その言葉にハッと我に返って前を見ると、さっき暴れていた狸、もとい謎生物がいた。
(なんだこいつか脅かすなよ……)
「ちょっと外に放り出したくらいでオレ様が入学を諦めると思ったら大間違いなんだゾ！オレ様にかかればもう一度学校に忍び込むことくらいチョロいチョロい！」
胸を張ってニヤリと笑う謎生物を監察していると髪に冷たい何かが降ってきたのを感じた。
「つめたっ！？」
「Aちゃんどうしたの！？」
「あ、雨が……天井から……」
「にゃ"ッ"！つめてっ！……ここ、雨漏りしてやがるんだゾ！オレ様のチャームポイントの耳の炎が消えちまう！」
(あ、それ水で消える感じなのね……)
というか、不審者は「雨風くらいは凌げるはず」とか言ってた癖に全然凌げてねぇじゃねーか！
「こんな雨漏り、魔法でパパーっと直しちまえば良いんだゾ！……って、オマエらは魔法使えねえのか。ププッ使えないやつらだゾ！」
こいつ一回ビンタして良いかな。
いや流石に人間の男子もいるし、私も心優しく明るく素直な可愛い女の子♡なイメージをつけたいので勿論そんな野蛮なことはしないけれども。
「じゃ、じゃあちょっと手伝ってくれないかな？
自分とAちゃんの二人だけじゃ流石に時間がかかりそうだし……」
「やーなこった！オレ様はちょっと雨宿りしてるだけの他モンスターなんだぞ」
このモンスター、口の聞き方というものがなってない。見た目は女児向けアニメに出てきそうなマスコット的な感じで一緒にいたら私もプリキュアみたいに見えるし、ペットにしてやっても良いと思ったけど中身がこれだと……やっぱり狸は狸でもひみつ道具が使える青狸をペットにした方が百倍良い。
「うわっ、雨が強くなってる……Aちゃん、一緒にバケツ探しに行こ」
「あ、うん」
「な、なにか出そうな雰囲気だね……」
人間の男子は何やら不穏なフラグを立てながら扉を開ける。
「ひさしぶりのお客様だあ……」
廊下に出た私達を出迎えたのは空中を浮遊する明らかに人間ではない生物……そう、幽霊だった。
もう一度言おう。幽霊だった。
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柊あんず(プロフ) - 洸さん» コメント返信遅くなってしまい申し訳ありません…画力やばいですよね…表紙絵見るたびに惚れ惚れします…更新頑張りますね…！！ (2022年5月5日 17時) (
レス) id: 69139934db (このIDを非表示/違反報告)
洸 - 待て待て待て待て画力チートか？画力高杉な？めちゃくちゃ綺麗じゃないっすか。話も素敵です！更新待機。 (2022年4月24日 16時) (レス) id: 2f1dccb094 (このIDを非表示/違反報告)
柊あんず(プロフ) - 櫻陽花さん» コメントありがとうございます！ただいま訂正させていただきました〜！ありがとうございます (2021年3月29日 15時) (レス) id: 69139934db (このIDを非表示/違反報告)
櫻陽花(プロフ) - 序盤の鉱山内での台詞ですが…5年ではなく10年だったと思います…… (2021年3月28日 21時) (レス) id: 07bd924354 (このIDを非表示/違反報告)
柊あんず(プロフ) - 鮎さん» コメントありがとうございます〜！襲いくる数々の理不尽…！耐えるんだ！多分、三章くらいではメンタルムッキムッキな女の子になっていると思いますね(遠目) はい、更新頑張ります…！！ (2020年6月28日 1時) (レス) id: 30d83766f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんず
| 作成日時：2020年5月30日 23時
