【HQ】糖 度 1 2 0【短編集】

＊及川徹 ページ4

.


『ん……ふ、ぁ、う……』


いやらしい水音と吐息だけが響く部屋。

気持ち良さから逃れたくて身をよじるも、彼の手によって逃げることは許されない。

短かったような、長かったような口付けが終わり、彼は名残惜しそうに体を離す。


「気持ちよかった？」


彼の問いに、こくりと頷くと、彼は満足そうに微笑む。

ああ、どうしてこうなったのだろう。

事の始まりは、多分私が岩泉と話していたからだろう。

ー

今日突然、徹に家へ来ないかと誘われた。

その時は、おうちデートかぁ、と思い、喜んだ。

まぁ、それは全く違ったわけで。

部屋に足を踏み入れた直後、徹は部屋の鍵を閉め、こちらへ迫ってきた。

なんだなんだと思い後退り、とんと当たったのは徹のベッド。

これはやばいと思ったのも束の間、彼に押し倒された。


『ど、どうしたの』

「どうもこうもなにも、岩ちゃんとあんなに仲良くして。俺には嫉妬心がないとでも思った？」


にこにこと笑ってはいるものの、怒っていることは明らかだった。


「お仕置きが必要、だね？」


そう言われ、服をさっと剥ぎ取られる。


『ちょ、ちょっとまっ……いっ』


ガリ、と鎖骨を噛まれる。

その次は首。そして胸、お腹、太腿……。

全身に赤い華が咲いたのを見た徹が満足そうに微笑んだ。


「まだまだ序盤だから」


大人しく、俺に食べられてね……

徹に耳元で囁かれ、私はうんうんと頷くことしかできなかった。

＊黒尾鉄朗→←＊国見英

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す