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「Aちゃん着いたよ、鍵出せる？」
なんとか部屋番を聞きドアの前までたどり着いた。
んーどこだぁーと言いながらガサゴソとバッグを探っている。
「あ、あった！」
見つかったようでバッグから可愛いネコのキーホルダーがついた鍵を取り出す。
そしてそれを鍵穴に刺そうとするが、
「あれー、入んない。こわれてる？」
カッカッと鍵がぶつかる音が響く。
「Aちゃんちゃんと見えてる？鍵穴に差すんだよ？」
「やってるよぉ。でもできない。こわれてるよこれ」
やっぱり完全に酔っている。いや知ってたけど。
鍵は鍵穴どころかドアにぶつかっていてそりゃあ開くわけがない。
仕方なくAちゃんから鍵を貰い、代わりに開ける。
「はい、開いたよ」
「ありがとぉ、すごいねほくとせんぱい」
すごいというか、誰でもできることだと思う……。
まぁ可愛いからいっか！！
覚束無い足取りで玄関に入り、のそのそと靴を脱ぐAちゃん。
「じゃあ俺帰るけど……、ちゃ、ちゃんとベッドで寝るんだよ！？」
「へいきへいき」
そう言いながらもぐでんと中途半端に靴を脱いだまま横になるのでこっちが焦る。
「ほらぁ、鍵もしっかり閉めなきゃなんだから起きてー」
「んー」
なんとなく入っちゃいけないような気がして、玄関の外側からAちゃんへ呼びかける。
するとAちゃんはふふっとかわゆく笑って、
「わたしのへやに入ったらダメだよ、ほくとせんぱい。」
そう警告したのだ。
「メンバーも入れたことないんだから。男のひとは入れないの」
「そう、なんだ」
男のガードが堅いAちゃん。
そりゃあ軽率に家に男を入れるようなことはしないだろう。
でもしっかりと引かれたその境界線にチクリと胸が痛んだ。
そしてAちゃんは手を伸ばして俺の手をギュッと握り。
「わたし、ダメなの。ほんとうはこれ、ダメなの」
綺麗で、でもどこか悲しく、空虚さを感じる笑みでAちゃんは言った。
要領を得ないその言葉が俺には理解できなかったけど、
でも俺のこの気持ちは、Aちゃんにとっては苦しさを感じるものなんじゃないか
とふと思った。
握られた手の熱さだけが、いつまでも残っていた。
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美紀(プロフ) - 好きなグループコラボの小説最高ですコロナと最近寒くなってきたので体調などにも気をつけてくださいね (2023年2月9日 22時) (
レス) id: e7f1610a24 (このIDを非表示/違反報告)
ch13(プロフ) - ランペ×ストは設定が最高すぎます🥺💕続きが楽しみです♡更新まってます！！ (2023年2月6日 23時) (レス) @page7 id: 2ca57b03f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆに | 作成日時：2023年2月5日 13時
