比翼の鳥 (ページ9)

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その愛は互いに歪みあっている　°斉唱箱庭_gt.vo. ページ9

貴方side

目の前には表面上笑っているが、目の奥が真っ黒に染まっている彼。
何故、このような状況になっているのかは十中八九私が原因なのだ。

先日多忙過ぎるあまり日付の変わる手前まで残業をしていて、一緒のプロジェクトを進めていた同僚に家まで送ってもらったのだ。たかがそれで？と気になるかもしれないが、ここからが本題なのだ。

宏介と一緒に住んでいるのはマンションなため、エントランスで別れると思いきや最後に一つ、告白という爆弾を投下した所で本物の彼氏が登場。少女漫画でしか見た事がない修羅場に立ち会ってしまったのだ。

斎藤「A、あの人誰？」

『えっと‥会社の同僚なんだけど、夜遅いから俺が家まで送るよ〜って言ってくれたんだけど‥』

斎藤「ふ〜ん‥これから遅くなった時は俺が迎えに行くから」

『でも、宏介の仕事は‥』

斎藤「こんなに夜遅くまでは滅多にないよ。今回みたいに誘われたら、絶対に断るんだよ？良いね？」

有無を言わさない言葉に何も言えず、ただ黙ってしまった。
反応の意味を読み解き、不敵な笑みを浮かべる宏介はどこか気に食わない、とでも言っているようだった。彼は何に絡まっているんだ、と思い問いを投げかけてみた。

『どうしたの、宏介。なんかあった？』

斎藤「なんもないよ、」

『嘘つけ‥田淵さんが言ってた。斎藤くんが頑なに口を開かない時は、中条さんのことについてだって』

ゆっくりと俯いていた顔を上げて一時的に光を取り込んだ光は束の間に放出されており、再び暗闇の瞳をしていた。

斎藤「‥なんで田淵と会ってんだよ。いつ？どこで？なんで俺に言ってくれなかったの？さっきのこともあったけど、引っ掛かることが増えちゃったなあ。どうする、A？外で生活できないくらいの愛を今から示してあげようか？ふふ、もう誰にも見せられないなあ」

勢い良く手首を掴まれた時には意識が飛んでいて真っ白な空間に宏介と私、たった二人だった。いつからだろうか、外の光を浴びたのは。そんなことどうだって良いか。彼の瞳に溺れてしまったのだから、ね。

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久々に更新したかと思えば、重い！！重すぎる！！

立て続けに明るいお話を出していたので、たまには‥って事でお願いします！笑