比翼の鳥 (ページ14)

今日:11 hit、昨日:5 hit、合計:6,363 hit

諦めたらそこで試合終了？　°バニラ_gt.vo ページ14

牧side

牧「Aちゃん！ここもうちょっとだけ照明強めに当ててくれない？」

『はーい、こんな感じですか？』

牧「うん！そんな感じで大丈夫！いつもありがとうね」

いやいや、と謙遜しながら機械を弄る彼女は結成当時からスタッフとして就いてくれていて、かなり仲の良い方だと思いたいが、実際の所は同じ年齢である進太郎の方が仲が良い。

なにしろ、彼女と進太郎が両片思いなのだ。影で隠れながら様子を伺う俺なんかが入る隙なんて無い。

9割諦めてるけど、あと一握りをどうにか信じてバンド活動を続けてきた。

某有名バスケマンガの代表的な台詞が脳裏から離れない。あと、ちょっとを信じてこの恋心を守るしかない。

照明の職業についているAさんとアーティストである俺の関わりは切っても切り離せない関係性で、それが嬉しくも悲しくもある状態だ。

『牧さーん！ちょっとこっち、来てくれませんか？なんか、微調整どんな感じか聞きたくって‥』

機械のを前にひょっこりと顔を覗かせているAさんのところにまで足を動かした。

『っ、あ、えっと‥その、アンコール時のライトの位置なんですけど‥』

彼女が戸惑ったであろう理由は、【わざと】顔を近づけたからだ。画面を凝視していた顔を横に振り向かせると、鼻と鼻が当たるくらいの距離。

でも、なんで。Aちゃんは振り向いた瞬間、進太郎と話しているとよりも顔を真っ赤にさせたの？

そんなんじゃ俺、期待しちゃうよ？

耳を赤くしながら、必死に話す彼女の瞳の奥を見つめ、呟いた。

牧「負けらんねぇな‥」

虚しくも、俺の声は乾いたsgの音によって掻き消された。

ｰｰｰ

FLOWERS TOURが無事に完走したということでgo!go!vanillasのお話にしました！

作者、ギター組好きすぎ案件。

アーティスト×スタッフのお話です。

Aさんは進太郎さんのことが好きだけど‥牧さんも気になり始めていて‥？という展開です。

うわあ、好きだなあこういう展開！！(騒ぐなAliCE)

至近距離で照明確認をしていた牧さんとAさんをステージから進太郎さんが見つけ、牧さんが何か言うと警戒し、音確認と装ってギターを掻き鳴らした‥というエンディングです！！

三角関係‥始まっちゃいますねぇ‥。