比翼の鳥 (ページ12)

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放課後マリアージュ斉唱箱庭_gt.vo. ページ12

貴方side(学パロ注意)

5限と6限の間の休み時間、前方のドアから先生が顔を覗かせ、私と目が合った。

先生「あ、Aと宏介！ちょっと話あるから終礼後に職員室来てくれるか？もし用事とかあるんだったら明日でも良いけど」

『え、あ、はい‥』

斎藤「分かりました〜」

担任に謎の呼び出しを食らってしまい、少々不安が募ってしまう私の心は若干の喜びもあった。

学年で彼を知らない人はいないと思うくらい有名な斎藤くんの名前もあったため、少しばかり期待してしまう自分がいる。

斎藤「なになに？Aちゃんも遂に何かやらかしちゃった系？」

ゆっくりと近づいてくる斎藤くんは何やらニヤニヤしていて、呼び出されたこともだし、私が何かやらかしたのかということに興味を持っているらしい。

『私、何にもしてないよ？
斎藤くんこそ、なにか問題になることを行動したの？』

斎藤「ん〜？したかもしんないし、してないかもしれないね？」

明白には答えず、曖昧に解答した彼は思い出したかのように手のひらをポン！と効果音が付きそうなくらい叩き、

斎藤「それにしてもさ、俺Aちゃんと話したの何気に初めてかもしれない！」

『そう、だっけ？』

斎藤「A、っていう響き良いね。俺、好きだな」

‥え、今あなた何とおっしゃいました？

『‥な、まえで呼んでる‥』

記憶の限りでは、女の子を名前呼んでいるのは聞いたことがない‥はず。

斎藤「そうそう！気に入った子にしか名前で呼んでないんだ〜」

『気に入った‥？でも、田淵さんは田淵さんのまま‥』

斎藤「田淵のことを智也って呼ぶのはなんかしっくり感がないんだよね〜！Aちゃんは、Aちゃんのままって感じがする！」

『な、なるほど‥』

休憩時間を告げるチャイムが鳴り響き、自然と会話に終止符が打たれた。

得意な現代国語だし、ちょっとだけ良いよね。

お昼ご飯を食べたせいか、今頃睡魔が私を懐柔しようと悪魔の囁きをして、呆気なく瞼を閉じてしまった。