曲者揃いのスリザリンは毎日騒がしいらしい。 (ページ36)

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大切だからページ36

Aは羽根ペンで書く手を止めてアンニカを見つめる。

「アルバスはね、すごいのよ。いつも私たちを引っ張ってくれるの。ハリー・ポッターの子だけど寮なんて関係ないの。それにね、スリザリンも悪い寮じゃないの｣

アンニカは“そーなの？”と父によく似た碧眼の瞳を向ける。

「それに前、スコーピウスの話もしたでしょ？彼もすごく素敵な人なんだから。2人とも私の自慢の親友なのよ」

「でもあたし、スコーピウスはヴォルデモートの子供だって聞いたことある。Aを迎えに行った時、駅でそうやって言ってる人がいて……。…いい加減な噂だとは思うけど……」

「ええ。かなりいい加減な噂よ。彼は正真正銘、ドラコ・マルフォイとアストリア・グリーングラスの息子だもの。素晴らしい魔法使いよ｣

「そっか、そうだよね！Aの友達が悪いやつなはずないもん」

アンニカは無邪気な笑顔でAに笑いかける。

スコーピウスもアルバスも大切な友達だ。

変な噂ばかり流されると気分が悪い。

「アン、お茶にしよう」

「じゃあお茶入れるね、チャイでいい？」

「ありがとう」

ふわふわとした栗毛を揺らしながらアンニカはキッチンへと駆けていく。

無理な話だろうが、ジェンキンズもチャップマンもアンニカぐらい理解があればいいのにな、とAは思った。