傷跡 【長谷川慎】

４３ ページ43

・慎 side



慎「え、壱馬さんなんで…？」



突然の壱馬さん登場にパニックな俺。


それは、○○さんも同じらしい。



壱馬「ごめんな、慎。ほんまは口出しするつもり無かったんやけど…」



そう言って壱馬さんが見たのは、



『…っ、』



○○さんだった。



壱馬「さっきから聞いてれば、なに？」

『え？』

壱馬「なんでほんとに思ってること伝えてあげないん？ペラペラペラペラ…嘘ばっかやん」

慎「ちょ、壱馬さん！？」

壱馬「慎は本気であんたに気持ちをぶつけた。それに本気で向き合わないのは、人としてどうなんですか？」

『……っ、』

壱馬「慎があなたに伝えた言葉が全てやろ？」


って、ちょっとしたお節介をタメですいません。



それだけ言って去っていった壱馬さん。



え？どういう状況……、？



慎「えっと、その、、すいません、なんか、」

『……ううん、、』

慎「…………」

『……………』





壱馬さんが出ていって、長く続いた沈黙。




『慎くん、』

慎「…、？」




その沈黙を破ったのは○○さんだった。




『………わたし、嘘ついた』

慎「……え？」

『…ほんとは、』



”慎くんのことが好き”


聞き間違えかと思った。


でも、違った。



『これはもう、必要ない。』



そう言って○○さんは、ネックレスを外した。


あの人から貰った指輪が着いている、


あの、ネックレスを。



『慎くんは年下で…私は年上で、怖かったの…飽きたって言われるの』

慎「そんなこと…」

『でも、さっき言われて思った。慎くんは本気で伝えてくれたのにって、』

慎「○○さん、さっきのもう1回言って…？」



まだ、夢なんじゃないかって思って



『夢…じゃないよ。…すき…慎くんが、好き』

慎「っ、俺も、、大好きです」



でもそれは、夢みたいな、現実の話。

LAST→←４２

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す