白烏 ２

【 アウトオブ眼中 】 ページ37

女「あ、あの…私…あの、永田の事が初めて見た時からっ 好きでした！付き合って下さいっ」



貴「あ、えっと…ごめん、今は部活に専念したい…」



女「じゃ、邪魔したりしないし、バレーしてる姿が好きだから！私！」





いつ見たんでしょうか、この女の子は…怖い
てかめっちゃグイグイくるね。これが巷で噂の肉食系ってやつか。成程。じゃあ俺は差し詰め草食動物か。






女「お願い…っ」






ウルウル上目遣い！凄い。計算され尽くした角度と表情が凄い。貴方をキメ顔最優秀賞受賞者に認定。







貴「いや、ほんと…ごめん、ね？」

女「どうして？」

貴「だから、部活…」

女「ん〜…それじゃあ納得できない…っ」






ダメだどうしよう、クソ程面倒臭くなってきた。
好意は有難いんだけど、何がここまで来られると俺の事好きとか言っときながら、全然俺の気持ち汲んでくれないじゃん





貴「チッ…」

女「え…」

貴「女の人に興味無いんだよね、俺」

女「そ、それって…男の人に興味が、あるって…事？」

貴「捉え方は自由だよ、ただ女の子に興味が無いってこと。つまり君には1ミクロンも興味を抱いてないんだよ」





ポッカーンとした顔で俺を見る女の子。
変に勘違いされても困るし、こういう子にはハッキリ言わないと後々面倒臭さそうだからね。






ー…ザッ





貴「………げっ」

山「ご、ごめん…っいや、聞くつもりは…」

貴「いや…別にいいよ、なんか、ごめんね」





曲がったところに山口が居たことは驚いたけど、月島とかじゃなくてよかった。彼奴弄り激しいからな




貴「山口は、どうしたの？」

山「俺は、飲み物買いに…」

貴「ああ、そっか、」

山「うん。あの、聞いてもいい？」

貴「何？」

山「永田は、男が好き…なの？あ、ほら西谷さんが好きだって言った時も普通だったし！」

貴「うん。どうだろうね、ただ女の人を…好きになる事はない、かな」






なんとなく流れるように受け答えしてると、ポロっと出た答えに、ハッとした
隣を見ると山口も “ えっ… ” と声を漏らして驚いていた





山「何か…あったの？」

貴「…………」

山「あ、いや、永田が言いたくないなら別に良いけど！言って解決する事ってあるし！無理強いはしないけど！」

貴「ありがと、優しいね、山口は…けど、言わなくてもいいなら…言わない」



多分これから先 一生

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