白烏 ２

【 頼りにする人 】 ページ30

《 影山side 》




日「お…囮… “ エース ” とか “ 守護神 ” とか “ 司令塔 ” とかと比べて、なんかパッとしないっていうか…」





日「だから皆 旭さんをエースって呼ぶんだ」





日「エースすっげぇな！ブロック居ても居なくてもブチ抜けるなら関係ないもんな！」




影「…エースが居るって分かってから、興味とか憧れとかの他に…嫉妬してたろ」


日「！……」





日向は人一倍思ってることが顔に出るやつだ。けど、普段の性格からして悩みとか無さそうって思われて、ちょっと顔付き変えただけじゃ誰も気が付かない




俺が気付けたのは、多分こいつに少し、借りがある…とか思っちまってるから





俺が今漸く本当のバレーの仕方を分かって来てるのは、日向があの一年の練習試合の時に、突拍子も無い事をしてくれたから。





“ ここに居る ” と言ってくれたから






日「……羨ましくて…何が悪いんだ…もともとデッカいお前になんか、絶対分かんないんだよ！！！！」




あったりまえだ！！デケェ奴がちっせぇ奴の気持ちなんて分かるか！！



…でも、お前は小さくたって飛べるじゃねーか。高さ勝負な所があるバレーの中で、生き延びれる程…いや、輝ける程の才能を持ってるじゃねーか




何で気付けねぇ、何でお前の囮が最強だって思えねぇんだよ。


…言葉を選んで言うなんて今までした事なかったから、何も言えずただガンを飛ばす事しか出来ない…クッソ…

及川さんなら何て言うんだよ…



ーっ！…いや及川さんじゃないっ






貴「うぇっ、な、何…？」


影「おい。お前今何考えてんだよ」


貴「月島と…同じ事…聞かれてるんだけど…」


月「僕に振らないで」






あんま喋んねー、何考えてんのか分かんねー、でも何か気がついたら “ こうしたい ” “ ああしたい ” って気持ちがコイツから伝わってくる


逆に相手が何も言わなくても “ こうして欲しい ” “ ああして欲しい ” って事をやってくれる

多分こいつは洞察力が凄えんだ。だから周りがよく見えてるし、自分の気持ちを伝える簡単な方法を知ってる！…はず！




影「…聞き方が悪かった。お前なら…今の日向に何て言うんだよ」


貴「…それ、俺が答えても…いいの？」


影「うぐっ！…さ、参考程度だ…」



全部教えられたら、なんか…あれだし…ヒントっぽく教えろ下さい

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