白烏 ２

【 期待値 】 ページ28

《 日向side 》




汗いっぱいで…苦しそうで…

でも “ 小さな巨人 ” は何回でも跳んでいた





あの時はよく分かんなかったけど、きっとあれが仲間からの “ 信頼 ” というやつだったんだ

この人なら決めてくれるとチームの皆が思ってたから、みんながあの小さなエースに繋いだんだ。



そんで きっと旭さんもそれと同じだ




影「……おい」

日「エースすっげぇな！ブロック居ても居なくても、あんな風にブチ抜けるなら関係無いもんな！」

影「…………」

日「？なんだよ…」

影「別に」




？？何だよ何だよー俺なんか変なこと言ったかよー？急にダンマリになるし目つき悪いから、怒ってる様に見えるんだよなー影山




澤「時間押してるから直ぐ第二セット始めよう！」


『オース！！』





縁「よろしくな」

貴「はい…」




あ！永田だ！そっか！第二セットからだもんな！青城の時のフェイク…？とかいうやつは、よく分かんなかったけど、スガさんに聞いたら






菅「永田は青城のセッターが正セッターじゃない事に直ぐ気づいたんだって。
後、青城ってサーブが強烈って有名じゃん」


日「えっそうなんですか！？」


菅「ははっ日向はホントに小さな巨人の事で頭いっぱいだなぁ。
で、俺達烏野に不足してる部分は沢山あるけど、1番はやっぱレシーブ！」


日「ゔっ」


菅「だから永田はワザとレシーブが苦手な様に見せたんだ。
そのお陰で青城の及川は永田がレシーブ苦手だと思ってサーブ打って来ただろ？」


日「あぁーっ！！凄え！永田凄え！！」






俺、スパイク来たら考える前にブワーッ！て跳んじゃうし、サーブ来たら慌てて力んで変な方向飛んじゃうけど
永田はスッゴイ落ち着いてる！なんか、静かなんだよ！そういうところはノヤっさんに似てる！





貴「…日向、何？」


日「え！あ、いや、永田は第二セットどうするんだ！？」


貴「…日向…もう少し、静かにして。勘付かれたくない、から。」







永田の言葉に反応して口を抑える。そっか！永田は秘密兵器だもんな！内緒だったんだよな！




貴「…菅原先輩居る時点で、俺が何か仕掛けるって事…伝わってるカモ、だけど」



永田の視線を辿って俺も相手コートを見ると、みんなが永田を見てた




貴「…まぁ、分かったところで…解決策、なんて…寄越してやんない、けど…ね？」

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