白烏 ２

【 完全防備 】 ページ42

＿翌日５月３日





日「らぁぁあぁ！！！」




ー…ダダダダダダッ！！




烏「日向うるせぇ！！ムダに叫ぶと後でへばるぞ！！」


貴「なんか…いつにも増して、元気？」


西「そりゃ好きな奴には良いところ見て欲しいからな！」


貴「え''っ」




５月と言えど太陽の日差しは着々と暑くなり、紫外線が駄目な俺はTシャツの上に長袖のトレーナー、下はストッキングをズボンの下に着用して完全防備






田「…永田の格好見てるだけで倒れそうだ」

東「まぁ紫外線ダメだもんな」

澤「帽子までしてるしな」






暑い。もう何も考えられないくらい暑い。汗が顔を伝って鎖骨まで滴り落ちてくる
拭えど拭えど垂れて来て、それがまたイラァとする


早朝はまだ日が出てなかったから、ラフな格好で済んだけど、いや、マジでランニングが俺にとって1番脅威かもしれない




山「永田大丈夫？」


貴「ん…」






最早言葉らしきものしか出ない。水分が蒸発して喉が張り付いた感覚。




菅「今更だけどさ、日向道間違えたまま猛ダッシュしたよな」

『え"っ』





日向、お前は一体何処へ向かっているんだ




菅「はぁ…じゃあ俺が」

貴「や、俺…行きます」

西「おいおい、大丈夫かぁ？今にもぶっ倒れそうじゃねーか！」

貴「ここら辺…家、近所なんで…」

澤「本当に大丈夫なのか？」

貴「はい…日向、捕まえて来ます」






早く水分欲しいけど、流石に三年の先輩に行かせるわけにはいかない。
一応地元付近だし土地勘あるから大丈夫な、ハズ…



なんか日向のことだから “ワーーッ！” って叫んであんまり曲がらないで真っ直ぐ…とか、あり得るな、大いに。てか…





貴「日差し…強すぎ…」





ジョギング程度で動かしていた足を止め、一度日陰へと避難する
キャップを外しへばりついた前髪を掻き上げ、もう一度キャップを下ろす

クリアになった視界で周りを見渡せば…確かこの道少し行けば広場があったな…

あ、その近くに小さい集会所があって…よし、そこに居なかったら放送で呼ぼ






「なぁ」

貴「ひっ…！」

「ああ、悪りぃ。ちょっと探してる奴がいてさ」

貴「あ、はい…」

「プリン頭で、真っ赤なジャージ着た奴見てねーか？」

貴「い、いえ…」

「そっかー、いや俺らここら辺の奴じゃないから土地勘サッパリでよー」





あ、この人多分 “音駒 ” だ

…変な頭

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