白烏 ２

【 戸惑い 】 ページ20

《 日向side 》




烏「よーしそろそろ始めるぞー！！」


『オース！！』





…………




日「なぁ、永田のヤツどうしたんだろな？」


影「俺が知るか」





…影山と同じくらいに部室に居た筈の永田が、随分と遅れて来た。そんで来たと思ったら随分と浮かない顔してるし…


武田先生の計らいで今日から顧問になった烏養さん
何でもあの烏養監督の孫！これからもっと色んな練習が出来るんだなぁっ！

今から町内会チームと練習試合だし！永田のプレーまた見れる！んだけど…






貴「…………」



日「………んぅ〜〜…」







ずーーっと浮かない顔して、話しかけても上の空。けど練習はいつも通りって所が流石だ。

ノヤっさんも何度も話しかけてるけど、相槌打ってるだけで、いつも静かたけど今日はまた違う感じ…上手く言えねーけど





ーーーっ！！




日「あっアサヒさんだっ！！！」


貴「えっ！！！？」


日「え！？」




ビビビッックリしたぁ！！永田が急にでっかい声出して突っ込んで来たから、危うく柵から手離して落ちるところだった



日「アサヒさんっ」

田「旭さぁーん！！？」

東「ゲッまたコイツッ！」





来た！来た来た来たっ！！烏野の現エース！！！アサヒさん！！




東「あっおっ俺はっそのっ」


烏「なんだ遅刻かナメてんのかポジションドコだ！！」


東「あっえっWS…」


烏「人足んねぇんださっさとアップとってこっち入れ！！すぐ！！」






烏養さんの言葉で体育館に足を踏み入れた旭さんは、もう烏野ジャージを着ていた！
やっぱり！戻ってきたんだ！だって！じゃなきゃジャージ着てないはずだし！


やっぱり旭さんはバレー好きなんだよ、好きなものって簡単に嫌いになれないし、離れられない、はず！





日「永田！旭さん来たな！」


貴「うん。良かった…」


日「………！」





柔らかく笑った永田の横顔は、俺が今まで見た中で1番キラキラして見えた。多分さっきまで考えてた事って、旭さんのことなんだ….



分かったと同時になんか、心臓がギュゥーってなって、ムカムカ？モヤモヤ？ドロドロした嫌ーな気持ちが俺の中で溢れて来た







なんだろ、なんかヤだ。何がヤなのか分かんない。けど、でも、永田が笑う理由は俺であってほしい…俺のこと考えてて欲しい…









貴「日向、旭さん…帰って来て、欲しかった…もんな」


日「お、おう」






俺、なんか嫌な奴だ…

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