白烏 ２

【 主将の悩み 】 ページ11

《 澤村side 》





女「ねぇ！永田君この前の練習試合県ベスト4に勝ったんでしょ！？」



女「凄いよねぇーっ！永田君って身長高いし、きっといっぱい活躍したんじゃない？」



女「絶対そうだよー！あ〜見に行きたかったなぁ〜ウチでもやってくれないかなぁ？」


女「そうなったら絶対応援しに行くのに〜！」




永田はモテる。それはそれは凄い数に。
本人は気づいてんのか気づいてないのか、よく分からない表情をしているが




確かに永田は男の俺から見てもカッコイイと思う。身長は高いし、少し細いけど筋肉もちゃんと付いてる。顔も良い。




そうなれば女子が黙っていないのも頷ける。まぁ俺からしたら綺麗って言葉の方がしっくり来るんだがな



昨日も散々西谷に永田の良い所とか魅力をマシンガントークされて、コイツよっぽど好きなんだなってヒシヒシと伝わった






で、そんな永田に感して最近思う事がある。


俺達に一線引いてる。いや、一線どころじゃない。距離を離してると言うか、意図的に深く関わらない様にしている気がする。あくまで何となくなんだが…




人見知りと言っていたがもうすぐ一ヶ月が経つにも関わらず、まだ人見知りなんて事は考えられない。

あのオドオドした話し方は癖なのかと思っていたが、青城戦の時の永田の話し方…





スラスラと紡ぐ言葉に何処か力強さを感じた瞳




…どっちが本物かってどっちも永田なんだけど、彼奴がちゃんと自分らしさを出せているのか不安になる




主将として部員一人一人ちゃんと見てやらないといけない事は分かってる。でも自分から距離を置くって事は、他人には触れて欲しくない事でもあるんじゃないのか


それを俺が無理矢理聞き出した所で、永田が救われるか、と言えば答えは分からない。だけどこのまま皮を被ったままの永田がバレー部に馴染めるか…それも微妙だ




…もう少し様子を見よう。月島にせよ永田にせよああいう奴らは時間を掛けて紐解いて行くしかないからな




菅「…大地眉間のシワ凄いぞ」


澤「俺は若ハゲしそうで不安だ…」


菅「まぁ、もう少し様子見んべ」


澤「…スガって実はエスパーなのか？」


菅「伊達に3年間一緒に居ないべ。大地の事は人一倍分かってるつもり」






スガが副キャプテンで本当に良かった。スガはスガで旭の事で悩んでるハズなのに。俺が悶々と考え込んでも仕方ないよな





澤「そうだな」

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