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[ 全国中学校バスケットボール大会 ]
「ごめんなさい、ごめんなさい…私の、私のファンブルの、せいで」
「気にしないの、夢。あそこまで繋げれたのは、夢の的確な指示のおかげだから」
女子バスケ部は、惜しくも準決勝敗退
私達の夏は、
__________ 終わった。
悲しくないわけがない
悔しくないわけがない
死ぬほど悔しい、悲しい、もっとやりたかった。
.
さつきちゃんお疲れ様。結果、聞きました。キャプテン、頑張ったね。
Aありがとう。そっちの試合も見に行くから、みんなによろしく
まだ、男子の試合が残っている
精一杯応援して、帰ろう。
.
夢を落ち着かせた後、スポドリを買いに
控え室から出て、自動販売機に向かう。
向こう側から、涼太君と大輝君が歩いてきた
なんとなく、今会うのは気まずくて
自動販売機の影に隠れてしまった。
「女バスは負けたっぽいッスよ〜」
「ま、そうだろうな…努力でなんとかっつっても、無理だろ」
「実力は実力ッスよね〜」
________ 背筋が凍るような感じだった。
努力した分、結果が必ず実るとは限らない
けど、自分の為には努力するしかなかった
『実力は実力』
この言葉だけで、片付けられるのが
どれだけ苦痛で仕方ないのか。
彼らには、勝利しか見えてないから
分からないのかもしれない。
.
決勝戦 対 明洸中学校
スコアはだいぶ差が開いている
これだけあれば、優勝は確実
だけど、この違和感は何?
「緩すぎるよね、この試合」
「Aも思ってた?…あと3秒」
明洸中学が諦めずにシュート…が
「外れ…、え?」
紫原君が、緩くボールに触れ、オウンゴール
つまり…自 殺点
間違えた、なんてことはない
じゃあ、彼らは一体何を…?
「A、ね、ねえ、うそだよね?」
.
111-11
ゾロ目に揃える自分達のゲームの為だけに
彼らは、この試合をしていた
私達は、泣いた。
試合に負けるより、悔しくて悔しくて堪らなかった
自分達の努力まで、踏みにじられた気がして
堪らなく、悔しかった。
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作者名:秋 | 作成日時:2020年5月13日 0時