強気な女と強い鬼ー夜明けー

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夕方になって私は目を覚ました。



窓の外は日が傾き始めている。




そうか…あのまま寝てしまったんだ…。




身体を布団から起こすと先程よりも頭がスッキリして身体もそこまでダルくない。




するとガチャッと扉が開いて




炭治郎｢Aさんっ、大丈夫ですかっ？｣




竈門が現れた。




A｢竈門、私は大丈夫だ…｣



炭治郎｢よかった…Aさんが倒れたと聞いたの
で…｣



A｢心配かけたな…すまない｣



炭治郎｢いえ、無事で何よりです…！｣






私のベッドの横にある椅子に腰掛けた竈門は何かを察知したように目を見開く。




炭治郎｢鬼の匂いがするっ…！｣



A｢鬼の匂い…？｣



炭治郎｢はいっ…Aさんから…｣



A｢う…そ…｣




なんで？



昨日は確かに鬼にあったけど




触られてないし…





そこで気づく。



待って…もしかして…




私を助けたのって…



A｢鬼…？｣




私を助ける鬼なんて一人しか思いつかない。




猗窩座…？猗窩座なのか…？




その瞬間、涙がボロボロ溢れ出す。




A｢っ…なんでっ……｣



炭治郎｢Aさん!?｣



A｢竈門、すまない。一人にしてくれっ…｣






そう言うと竈門は素直に退室してくれた。




そして私は嗚咽を漏らす。




そうか



いつもは猗窩座と会ったあと匂いや何かが残らないように湯浴びをしていたから匂いに敏感な竈門にも気づかれなかったけど



昨日はあれから湯浴びしてなかったから…。






なんで…？


私に会うのはもう最後なんじゃ無かったのか…？




A｢どうしてっ…｣




どうして



いつも




いつも__________。






傍にいて欲しい



私は猗窩座じゃないとダメだから。




何かあったとしても



お前の横にいるのは私がいい。




誰にも譲りたくない。




でも、どうしたらっ……




そんな時、不意に頭に



“何があっても私はあなたの味方です”



と言う珠世さんの言葉が舞い降りてきた。




A｢っ、珠世さんっ…そうだ、珠世さん…！｣




バッと立ち上がろうとすると



フラっと足が縺れる。



…ダメだ、まだ完全には身体が着いていかない…。




私はもう一度布団に横になる。



今日は無理かもしれないけど



明日必ず珠世さんのところに行こう。



そしてもう



終わらせよう。

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