流れ星のようにキミは。 (ページ20)

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花ことばーアオイsideーページ20

A｢よし、頑張ろう｣

目の前にAさんがいる。

私、神崎アオイは前世の記憶を持ったまま転生した。

しのぶ様もカナヲもほとんどの人が記憶は無いようで、Aさんも無かった。

まさかこんなとこで会えるなんて…。

今のところ自分に前世の記憶があることは誰にも言っていない。

言ったところで誰も信じてくれないだろうから。

A｢アオイ、花ってどうやって決めてるの？｣

あの頃とあまり変わらなぬ姿で私の名前を呼ぶAさんを見ると少し泣きそうになる。

アオイ｢私は色や大きさ、あと花ことばだったり…｣

A｢花ことば!?すごっ｣

アオイ｢Aさんにピッタリなモノもありますよ｣

A｢え、なになに？｣

アオイ｢この花です｣

私が見せたのは

“サザンクロス”だった。

普通なら初対面でその人に合う花ことばなんて選べたものじゃないけど私はあなたを知っているから。

A｢なんて言う花？星に似てるね｣

アオイ｢“サザンクロス”花ことばは…｣

A｢花ことばは…!?｣

アオイ｢…やっぱりらまだ秘密です｣

A｢ええっ!?｣

Aさんに合う花ことばを探したはずなのに

よくよく考えたら私からのメッセージになってる。

“願いを叶えて” “まだ見ぬ君へ”

“光輝” “遠い思い出”

これが花ことばだ。

アオイ｢Aさん、早速やりましょう｣

A｢？そうだな｣

Aさんの横にそっと座る。

アオイ｢(あ…)｣

Aさんの隣はやっぱり落ち着く。

あの頃と本当に変わらないなぁ…。

Aさんにもし前世の記憶が戻ったら、なんて考えることは都合良すぎるだろうか。

何となく寂しい気持ちを持ちながら花を生けた。