『そらる』俺、子供育てます。

子供生活34日目 ページ37

くるりと辺りを見渡してもさっきの子達はやっぱりいなくなっていた。


『……お礼言いたかったな』

ぽつりと呟いた声はみんなの苗字を言う声に遮られた。

私の名札にはかなたさんと同じ苗字のいちのせが書かれていた
かなたさんは私のためにこれにしてくれたんだろうな…ママが言ってた苗字が変わる時は幸せなんだって

どうして？って聞いたら「結婚したら、1番最初に最高のプレゼントを貰えるの…それが名前よ」と笑っていた

確かに、幸せかもしれない

結婚？は分からないけどかなたさんと同じ…お揃いだから、嬉しい
私も家族って言われたみたい。こんなに幸せなプレゼント、きっと無い

『かなたさ……そっか』

帰ったら、1番にありがとうって言おう
さっきの子達に会ったらお礼言わなきゃ


『あれ…ここ、どこ？』

気がつくと私は迷ってしまったようで周りには何も無いところ、廊下だった


『…ど、どうしよう』


その時肩を叩かれた
驚いて振り返るとそこにはさっきの子達とは別の男の子が立っていた…

「教室どこか分からないの？」


『あ、はい』


「じゃ、連れてってあげるよ！」

「いいよね？いぶくん」


「ん、いいよ！」

2人に手を引かれ、教室まで案内してもらった。
二人は一個うえの二年生らしく、僕達先輩なんだ！とにこにこと笑っていた。

2人のおかげであっとゆう間に教室に行くことが出来た。


『あの、ありがとうございました！』


「んーん、いいよ！」

「なんかあったら、頼りなね！」


「「ばいばい！！」」

手を振って笑ってくれた二人はカッコよくて、私もいつかこんなふうになりたいと思った



少しだけ緊張しながら扉を開く、皆の目線が私に向けられる。…怖い、かなたさん

口の中が乾いていく感覚を必死に考えないようにして口を開く

『お、おはよう！』


出来るだけ大きく言ったつもりだけど、届いたかな？…無視されないかな


「「「おはよう！！」」」


『！！…う、ん』

「君、見たことない子だね！」

『あ、ぇ、と引っ越ししたの』

「へー！」

「可愛い髪ゴムだね！」

『あ、ありがとう』

「私、有川風夏！！」

『わ、私はA』

「俺は成瀬涼！！」

「「よろしく！！」」


『…よろ、しく』


ふうかちゃん、りょうくん……無視しないで話してくれた、他にどんな子がいるんだろう

周りを見渡すと


『…ぇ』


「ん？…あ」

「？……あ！さっきの！！」



さっき助けてくれた男の子達がいた

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