【鬼滅の刃】柱の彼はマイペース。 (ページ12)

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第五章【竈門炭治郎と＿】ページ12

ー炭治郎sideー

上弦の鬼との大戦から四ヶ月あまりが経った。その間に俺たちは怪我を治し、任務に復帰出来るようになった。
一つ変わったことと言えば、煉獄さんが柱を引退したことと、俺に鍔を継承させてくれたことだろう。
その重みは凄くて、俺は未だに緊張してしまうのだが…

「んー…やっぱり腕が訛っているかもなぁ…」

『や、久しぶり』
「うわぁあ！！？」

「び、吃驚しました。彩夢さんでしたか…！」

『ははっ…はい、お土産』

「？……あ、いえ。貰う訳には！！」

『いいの。それとも、俺からは貰えない？』

「ぇ、いえ……い、頂きます」

『うん。そうして欲しい』

「(最近会う度にお土産貰ってないか、俺…)」

ふと思ったことがある。
四六時中彩夢さんから香ってくる、この匂い。俺は嗅いだことがない。

「…彩夢さんは、何かあったんですか？」

『……なんで？』

「いえ、何か……匂いk…ふぎゃ！！？」

『…君って確か……鼻、いいんだっけ』

「ふぁいそうでふ」

鼻を摘まれたせいで腑抜けた声しか出てこない。彩夢さんは少し嬉しそうな顔をしている、が鼻をつままれていても微かにあの匂いが分かる。つまり、この表情は嘘だ。
鼻から手が離れる。

「悲しいことでも、あったんですか？」

『……君って、鈍いのか鋭いのか分からないね！』

「鼻は鋭いので！！」

『…うんまぁ、そうだね…』

少し眉を下げて笑った彩夢さん。
その表情は何処かで見た気がした、だけど何処で見たのか思い出せない。

『煉獄は、僕がもっと頑張ってれば…柱を辞めなくて済んだんじゃないかって』

「……それは、俺も思います」

『だよね、やっぱ「でも、」

「彩夢さんのせいだとは思ってません」

『…』

「そんなことを言ったら、煉獄さんは悲しむと思います。……俺も、後悔してるけど、でも…時間は戻らない」

『…うん、知ってる。何度も、同じことがあったから』

「なら！！」
『でもね』

『＿＿＿＿僕は、まだ…自分の生き方も、考え方も変えられないみたいだ』

「……」

俺のことを撫でながらそう呟いた彩夢さんは辛そうで、何も言えなかった。沈黙が流れる。

頭の上の温もりが消えて、彩夢さんが離れていく。その後ろ姿を、俺は追いかけられなかった。

「……彩夢さん…」

「＿＿＿ねえ、ちょっと」

「？……だ、誰だ君は」

「…階級が下のくせに生意気ね、いいから来なさい」

「え！？」

俺の腕を引いた女の子
驚いた俺はそのまま連れていかれた。