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『…。』

「A兄!!」

『!……あれ、……ここ』


「A兄?どうかした?」

『…………玲香、なのか?』

「?…変なお兄ちゃん」

目の前で屈託ない笑顔を浮かべるのは僕の妹の玲香、状況が理解できなかった。
頭を撫でてやると本当に嬉しそうに目を細める妹。その時名前が呼ばれる。

「A、ご飯手伝ってくれる?」

『ぇ、……母上、…父上?』

「A、どうした…そんなに顔を青くして」


『…。…嘘だ、』

唐突に理解した、ここは夢の中だ。
そうか、血鬼術の類にかけられたのか。
恐らく、他のみんなもそうだろう。あの切符を切った駅員の手は震えていた。寒さではなく心情からの震えだとしたら…。

『…父上母上、玲香…』

「…なんだ」
「どうしたのです?」
「お兄…ちゃん…?」



『……助けれなくて、ごめんなさい
あの日、僕だけ生き残ってごめんなさい
…僕が平和な日々を壊した、疫病神だ
…皆、本当にすまない』


「…なに、言ってるの」


『僕が強ければ、皆は…

____でも、もう行きます。
”俺“はまだ、やるべきことがある
全てを終えたら……会いに来るから』

僕は走り出した。
後ろから家族の声が聞こえる、目頭が熱くなる。しかし袖で乱暴に拭ったからか痛くなってきた。鼻をすすり、雪の中の森を駆け抜ける。
何年も見てなかった家の近くの道は走りずらくて、何度もつまづきそうになりながら街の方に出た。

『っ…はぁ、はぁ…どうすれば戻れるんだ』


その時、何かに引っ張られる感覚。
意識が再び遠のいた。


__


『ぐ…っ………!!?』

周りを見渡すとそこには眠るみんなの姿。竈門くんだけが居なかった、ということは竈門くんが僕の夢を壊してくれたのか…。
そして目の前には幼い少女、確か竈門禰豆子という鬼の少女、竈門くんの妹さんだ。
僕の手を引っ張り頭に持っていく、撫でろということか…?
手を添えて撫でてみると満足そうにするからあっているんだろう。

『竈門……禰豆子ちゃん、お兄さんは鬼のところ?』

「むー」

『…分かった、皆を頼むね』

そう言うと分かったのかコクリと頷いた。
あの時は怪我をして柱合会議に出られなかったし、禰豆子とは初対面だけど…いい子なのは本当らしい。鬼だからと殺そうとしては駄目だ、彼女は御館様の保護下にある。
竈門くんを探しに立ち上がると、叫び声が聞こえた。


『…よっと…』


視線を前の方に移すと、竈門くんが立っていた。

*→←第二章【合同任務】



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(プロフ) - 面白いです!続き待ってます! (8月13日 17時) (レス) @page14 id: 72e740ca3a (このIDを非表示/違反報告)
廣岡唯 - 面白い続きが観たい…ありがとうな (2022年10月31日 9時) (レス) @page3 id: 4e6dbece94 (このIDを非表示/違反報告)
松たけこ(夜桜)(プロフ) - 4869H.Kさん» ソッコーで直しました。ありがとうございます! (2019年12月29日 23時) (レス) id: e44c1f3d42 (このIDを非表示/違反報告)
4869H.K(プロフ) - 細かいことごめんなさい。鬼殺隊です (2019年12月29日 22時) (レス) id: 7a8b945c7b (このIDを非表示/違反報告)
松たけこ(夜桜)(プロフ) - レイれいさん» ありがとうございます!!!嬉しいの一言です…! (2019年12月29日 1時) (レス) id: e44c1f3d42 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夜桜 x他1人 | 作成日時:2019年8月29日 0時

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