第二十五章【夢と母】 ページ6
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【…こっちでは、初めまして】
『……!』
目の前には、先程会話した記憶がある人物、目が潰れていたせいで分からなかったが夢の中に出てくるとは思わなかった…
『…母…さん……なんですか?』
【……えぇ、貴方の母です】
『…嘘ではなく?』
【……そうね。嘘と思っても仕方ないわ】
『………だって、貴方は…私そっくりで、でも私の母は…あの人…で』
【…あれは私の親戚、私が死ぬ前に引き取ってもらったの……あんな性格とは思ってなかったけど、】
そう言って悲しそうに微笑む女性、
白い髪、淡い藍色の瞳、顔の作りとしては私とそっくりさんになれる気がするほど似ていた。
母…私にとっての母親とは目の前の女性ではなく、暴力と男の欲望に溺れた女でしか無かった。
『…何故、死んだんですか』
【……余り言いたくないことなの】
『…言ってください』
【………貴方が、生まれたから】
『!……私を産むと、死ぬ…?』
【合ってるけど……そうね、貴方の血は稀血、鬼の血を引く一族…私はなんでもない、ただの神職の一族の女】
『…稀血…………そっか、』
女性の言いたいことが分かった。
私を産むと、精力というか色々と必要な養分が足りない。つまりお母さんから全部吸い取っちゃえ的なことを無意識にしてしまう、そのせいで身体が弱くなり、
早くに亡くなってしまった…
『……私なんかを産んで幸せだったの?』
【幸せよ、断言するわ】
『…』
【だって、こんなにいい子に育ったのに…嫌だなんて思う親、居るはずないわ】
『……お、母さんは……死にたくなかったんじゃ、ないの?』
【…。……そうね、死にたいかと言われると嘘になる…もっと生きたかった、生きて…貴方を見守りたかった、】
『……』
【でもね、まだ成仏は出来ないのよ】
『…成仏…するの』
【…こんなにいい子なら、心配もせずに飛んでいけるんだけど………お父さんがまだ居るの】
『!……お父さん?』
初耳だ、父親なんて知らなかった。
あの女は毎回男が変わるから…やはり父親は生きているのか。
【……お父さんは、鬼に堕ちた】
『!?……鬼』
【…堕ちたと言っても、無理矢理…だけど】
『…』
【…今、お父さんは上弦になったかもしれない】
『……そ、れは…本当?』
【……あの人は、鬼殺隊でも柱だった
………鬼になったら、俺の首を切ってくれと言ってたわ】
『…』
【A……お父さんを助けて欲しいの】
母は泣きながら笑った。
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推しを愛で隊(夜桜)(プロフ) - シキさん» すみません久しぶりに戻ってきたらコメントがあったので返信します。色が見えるのは最初からですね。一応説明はされてないので私のなかでだけですが、無一郎の記憶は消えてしまったデータの中にあり修復中です。話的には途中の任務で有一郎が死にかけてショックでですね (2020年12月7日 23時) (レス) id: e44c1f3d42 (このIDを非表示/違反報告)
シキ(プロフ) - すみません。私が見逃しただけかもしれないんですが、この作品で無一郎くんはいつ記憶を無くしていたのでしょうか?あと、主人公がたまに見ている色はいつからでしょう。わかる方いましたら、よろしくお願いします。。 (2020年11月11日 2時) (レス) id: 2112fc6e24 (このIDを非表示/違反報告)
奏 - 鬼滅はパクリ作品 (2020年10月3日 23時) (レス) id: 833e98b9a2 (このIDを非表示/違反報告)
猫柱にゃん子 - 過去最高1位ですってすごいっすね!作者さん! (2020年7月24日 11時) (レス) id: 55a94d494e (このIDを非表示/違反報告)
松たけこ(夜桜)(プロフ) - さつまいもさん» ありがとうございます!!! (2020年1月1日 1時) (レス) id: e44c1f3d42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜桜 x他1人 | 作成日時:2019年9月24日 17時