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金属同士が擦れて耳鳴りのような耳障りな高い音が鳴る。
『っ……あぶな、』
「…正義の味方、なんて醜い…あぁ、醜くて可哀想でたまりません。童磨が見たらなんて言うか…」
『…鉄穴森さん、無事ですか』
「は、はい!…刀を持ってきた次第で…」
『!…ください』
「これです!」
そう言って手渡してくれた刀は茜よりかは軽く、扱いやすい感覚がした。
短剣を鉄穴森さんに預け、刀を抜く。色が変化していく、茜色と白が目立つ綺麗な刀だった。
「……神狐羅様と同じ色……羨ましい、
綺麗な、…でも汚い。あの御方の色と同じなんてお前みたいな塵糞には合わない、神狐羅様が穢れてしまう…!」
『…』
茜は折れてしまった、もう傍にはいない。これからはこの子が私の新しい相棒なのだから、同じ茜では締まらないだろう。
『……
決めた刀の名前を口に出してみる。
しっくりときたのか力がみなぎってきた気がした。
『鉄穴森さん、私の後ろに居てください、守ります、必ず』
「はい」
「……刀鍛冶一人、死んでもいいだろうに…執着する必要あるんですかね?」
『……この人のお陰で、私は戦える』
「四ノ宮様…!」
「…」
話に飽きたのか、返答に呆れたのかつまらなそうな顔をして私に錫杖を突き出した。
その瞬間錫杖の先が変形して、まるで槍のような、いやこれは薙刀と言うべきものなのかもしれない。
『……っ』
びりびりと、手が痺れるような感覚に襲われる。刀を軽くでも握れば痛くて痛くてたまらない、今すぐにでも刀を放り出したい。
でも、動かなければ…
『……私は、言ったことは絶対に守る』
「……くだらない妄言を吐き散らして何が言いたいんですか?」
『……私は、鉄穴森さんを守り抜く…絶対に、死なせない』
「ソレを守れなかったら、どんな顔になるんでしょう…面白そうですね」
『……!』
ガキィン
「っ…!!?」
『…卑怯者』
「はて?目の前の敵を倒すのに幻覚を魅せるのは当たり前では?………それにしても、術が直ぐに解けるのは謎ですね」
手が治らない、術のせいで直ぐに相手を切ることは出来ない。
私一人で守りきれるだろうか…いや、やらなければならない。
『…』
「____さん!」
『!………三・五!』
「はい!!」
「参の型・無夢三」
『伍の型・陽弓白矢』
ズバッ
「……っ!?」
鬼の手が地面へと落ちる。
「……師範!無事ですか!?」
『ありがとう……有一郎』
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推しを愛で隊(夜桜)(プロフ) - シキさん» すみません久しぶりに戻ってきたらコメントがあったので返信します。色が見えるのは最初からですね。一応説明はされてないので私のなかでだけですが、無一郎の記憶は消えてしまったデータの中にあり修復中です。話的には途中の任務で有一郎が死にかけてショックでですね (2020年12月7日 23時) (レス) id: e44c1f3d42 (このIDを非表示/違反報告)
シキ(プロフ) - すみません。私が見逃しただけかもしれないんですが、この作品で無一郎くんはいつ記憶を無くしていたのでしょうか?あと、主人公がたまに見ている色はいつからでしょう。わかる方いましたら、よろしくお願いします。。 (2020年11月11日 2時) (レス) id: 2112fc6e24 (このIDを非表示/違反報告)
奏 - 鬼滅はパクリ作品 (2020年10月3日 23時) (レス) id: 833e98b9a2 (このIDを非表示/違反報告)
猫柱にゃん子 - 過去最高1位ですってすごいっすね!作者さん! (2020年7月24日 11時) (レス) id: 55a94d494e (このIDを非表示/違反報告)
松たけこ(夜桜)(プロフ) - さつまいもさん» ありがとうございます!!! (2020年1月1日 1時) (レス) id: e44c1f3d42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜桜 x他1人 | 作成日時:2019年9月24日 17時