「まふまふ 」鬼のお嫁さんになりました。(2)

花嫁修業39日目 ページ3

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僕がそう言うと妖は溜息をつき僕の方へ近づいて頬に手を添えた

「…つまんない、つまんない、つまんない、お前、つまんないよ」


『…君の事なんてどうでもいいよ、それよりどうして僕に関わるの』

「別に？人間と化け物が暮らしてるからぶっ壊したくなってさぁ…でも、君は人間を食べたいと思ってたんだね」

『だから、食べないって言って「はぁ？」


「……人と人外は共に生きられない、知らないの？…それとも希望を持ってるのか？……無駄な足掻きをするな」

妖は気味の悪い笑顔で僕に笑いかけるとAを指さした。

「それよりそこ人間食わないとあんた死ぬよ？」

『は？なに、言って……るの？』


「だーかーら…お前は人を食わないと生きられないの！そうしないと死ぬの！！」


『……うそ、だ』

「お前の友人は優しいねぇ…死なないように人を食べさせて……本人には何も言わない優しさ付きでやってあげる、いい友情だよ」


じゃあ、皆は……僕のために人を…？
身体が震える、自分の口を抑えて必死に吐き気を抑える。

「…そいつを食うのかは自分で決めなよ」


そう言った妖は次の瞬間消えていて、代わりに目の前にはAがいた。
僕は元の姿、と言ってもあの化け物の姿でAの首を締めていた。
咄嗟に手を離そうとした時うらたさんが僕を殴って止めてくれた。

身体を制御するのは難しくて暴走は止まらずそらるさんに気絶させられた、Aの泣きそうな瞳を見たあと、僕は意識を手放した。




−Aside−


そらる様は冷たくそう言い放った。
私は自分が可笑しくなったのかと耳を疑う、でも泣きそうな目でそう言うそらる様の様子が今の状況を肯定している。


『殺す？……ま、ふ…まふ様を…？』

こくりと頷いたそらる様の肩を思わず掴んで揺さぶる、こんなことしてはいけないと分かっていても抑えられなかった。


『そんな、ほ、他の方法はないんですか！！？なんで……そんな！！そらる様、冗談ですよね！？……お願い、ですから、冗談と……言って…ください！』

そんな方法しか無いならどうしてそらる様は私にそれを言ったんだ、なんで私の大切な恩人を殺すことを言われなきゃいけないんだ！！


『っ……いや、やめて…お願いです…嘘だと……全部、言って…！！』


声が震えて腕から力が抜けていく、身体がさっきよりも冷えて氷のようだ。
目が熱い、胸が痛い、苦しい…



＿＿＿＿＿ダメ



『………ゃ…』

「…A？」





『……嫌です』

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