第45話 執事くんは犠牲になったのだ ページ49
ニコッと笑ってそう言うと執事くんはキッ、と俺を睨んだ。
おお怖い。
｢ねぇ執事くん、お腹空いてない？｣
執事くんにそう聞くとはぁ？という顔をされた、酷いなぁ。
｢いきなり固形はあれかなって思って、スープ作ってきたの｣
ほい、とお皿を持ってスプーンで掬って執事くんの口元まで持っていく。
だが執事くんは頑として飲まない。
そうだよねぇ、普通は怪しんで飲まないよねぇ、じゃあこれならどう？
｢！？｣
俺はスプーンで掬ったそのスープを執事くんの目の前で飲み干す。
お、やっぱりいい出来じゃん、んまい。
ごくん、と飲み込んで執事くんの顔を見ると驚いた顔をしていた。
それはそんな執事くんにニコッと笑いかけてまたスープを掬って口元まで持っていく。
｢ほら、何も入ってないでしょ？何か食べないと、身体壊しちゃうよ？｣
ね？となるべく優しく言って飲むように言う。
すると執事くんはスプーンに口をつけてスープを飲み始めた。
よっしゃ、どうだ？美味いだろう？
｢……う"っ！？｣
するとスープを飲み干した執事くんの身体がいきなりガタガタと震え始め、ハァハァと息が荒くなっていく。
よしよし、効果が表れてきたな。
｢ほら、美味しいでしょ？ね？｣
ふふ、とを笑ってまたスプーンで掬って口元へ持っていくとすごい勢いで食いつきてきた。
ｷｬｰｺﾜｰｲ。
｢もっと、もっとくれぇっ！！スープ、スープをぉおっ！！｣
ガタガタと座っている椅子を揺らしてもっと、もっとと言ってくる。
そう言われて簡単に飲ます訳もなく。
｢…じゃあ情報を話すのとスープ、どっちがいい？｣
ほれ、とスープを見せながらそう言うと執事くんは少し迷う仕草をした後迷わずにスープの方へ行った。
｢スープ、スープ！！早く、くれ、くれぇ！！｣
うぅう、と縛られている為自由に動けない彼はどうしてもスープが欲しいらしく拘束を解こうと動いている。
俺はそんな執事くんを見てニコッ、と笑って持っているスープの入ったお皿を傾けた。
｢欲しかったら話せよ、お前の持ってる全部｣
バシャアっ、と傾けた事によってスープが全部床に溢れる。
すると執事くんは｢あぁっ！！｣と言って呆然とした顔をした。
｢ほら、早く話さないとスープがどんどん冷めていくよ？｣
冷たいスープは嫌いでしょ？と言うと執事くんはギリッ、と歯を食いしばってこくり、と頷いた。
うん、いい子。
｢じゃあ話してもらおうか、君の全部を｣
【奏斗の部屋】続編わっしょい！→←第44話 さぁ、実験をはじめようか
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 271人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
クロ 2 - すると幹部様がいるじゃろ？わぁ、不思議ー 。バァンッ（ドアを閉める音） で大草原ですわw (2019年1月6日 22時) (
レス) id: c0265ddce4 (このIDを非表示/違反報告)
ネムレ - ウェイトレスは女性ですよ！男性ですとウェイターだったかと… (2018年12月30日 2時) (レス) id: f78802a3a7 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ@wrwrd！ syp.sha 推し【腐】 - 一宮 奏斗 -Kanato-さん» 笑って貰えたなら幸いです！w ﾋﾟﾎﾟｯ（ボソッ (2018年12月30日 1時) (レス) id: 089aae62ec (このIDを非表示/違反報告)
一宮 奏斗 -Kanato-(プロフ) - サクラ@wrwrd！ syp.sha 推し【腐】さん» それ大先生やないですかwww思わず笑っちゃいましたwww (2018年12月28日 2時) (レス) id: b9b08916ff (このIDを非表示/違反報告)
サクラ@wrwrd！ syp.sha 推し【腐】 - （ﾋﾟﾝﾎﾟﾝﾊﾟﾝﾎﾟｫｵｫﾝ）がﾋﾟﾎﾟﾎﾟﾎﾟｫｵｫに見えて仕方がないw (2018年12月28日 2時) (レス) id: 089aae62ec (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：琴宮 いろは | 作成日時：2018年12月18日 1時
