第30 家族 ページ33
｢…ん、朝……？｣
目を覚ますと見慣れた天井に匂い。
あれ、俺いつ帰ってきたんだ…？それに服もあの時のままだし…。
よく覚えてないなぁ、と欠伸しながら着替える為にベッドから降りると階段の方から誰かが駆け上がってくる音が聞こえた。
何だ、と不思議に思っているとその足音はこの部屋の前で止まり、バァンッと部屋のドアが勢いよく開いた。
｢っ兄さん！！｣
そしてそのドアを開けた本人は弟のケイだった。
｢お、ケイ、おはよ、う"っ！？｣
ケイは俺の姿を見た途端強烈なタックルを御見舞された。
うっ、鳩尾に入った…。
｢兄さんの馬鹿！！どこ行ってたの！？｣
そして腹に軽くパンチを入れられる、うぐぉう…。
ケイは軽くパンチを入れたつもりなんだろうけど、俺にとっては強めなんだが…。
そしてまた階段をバタバタと忙しく上る音が聞こえ、部屋に父さん達が走って入ってきた。
｢っノエル！良かった、無事で…｣
部屋に入ってきた父さんが涙目で俺を抱きしめた。
この様子だと昨日の夜こっそり外に行ったのはバレているだろう、んー、バレたくなかったなー。
すると父さんの後ろにいた母さんが真剣な顔をして俺の肩を掴んできた。
｢…………何してたの、母さん達に内緒で｣
そう言われて、少し口を噤む。
久しぶりに見た母さんの真剣な表情、その顔には少し弱いけど、今回は引けない。
｢…言えない、言いたくない｣
ふるふると首を横に振ると母さんはすっ、と掴んでいた俺の肩を離した。
｢…言いたくないのなら、言わなくていいけど｣
｢いつでも、母さん達はノエルの味方だからね？｣
すっ、と母さんの顔が真剣な表情からいつもの優しい笑顔に戻った。
｢……う、うん｣
｢ほら、お店開けるわよ！準備しなさい！｣
ほらほら、と俺の背中を押して部屋から出される。
…母さん、ごめんね。
｢うん、着替えたら行くよ！｣
母さん達が守ってくれたように、俺も家族を守りたいの。
でも、言ってしまったら母さんは反対するでしょ？
だから、内緒で守る事にした。
これは、俺だけの秘密。
｢…今度は、俺が守るんだ｣
そう心に誓って、着ていた戦闘服を脱いだ。
＿＿＿
母親side
｢……ノエル｣
貴方は、強い子ね。
家族を守ろうと、戦ってくれた。
私の愛しい子、私の光。
あなたが決めた事なら、反対はしないわ。
でも、貴方が泣いて苦しむ様なら私の元へ連れ戻す。
だから、私の元から消えないで。
｢私の愛するノエル、どうか｣
死なないで
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 271人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
クロ 2 - すると幹部様がいるじゃろ？わぁ、不思議ー 。バァンッ（ドアを閉める音） で大草原ですわw (2019年1月6日 22時) (
レス) id: c0265ddce4 (このIDを非表示/違反報告)
ネムレ - ウェイトレスは女性ですよ！男性ですとウェイターだったかと… (2018年12月30日 2時) (レス) id: f78802a3a7 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ@wrwrd！ syp.sha 推し【腐】 - 一宮 奏斗 -Kanato-さん» 笑って貰えたなら幸いです！w ﾋﾟﾎﾟｯ（ボソッ (2018年12月30日 1時) (レス) id: 089aae62ec (このIDを非表示/違反報告)
一宮 奏斗 -Kanato-(プロフ) - サクラ@wrwrd！ syp.sha 推し【腐】さん» それ大先生やないですかwww思わず笑っちゃいましたwww (2018年12月28日 2時) (レス) id: b9b08916ff (このIDを非表示/違反報告)
サクラ@wrwrd！ syp.sha 推し【腐】 - （ﾋﾟﾝﾎﾟﾝﾊﾟﾝﾎﾟｫｵｫﾝ）がﾋﾟﾎﾟﾎﾟﾎﾟｫｵｫに見えて仕方がないw (2018年12月28日 2時) (レス) id: 089aae62ec (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：琴宮 いろは | 作成日時：2018年12月18日 1時
