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第3章 - 2話 ページ34

着地した先には松明の光で照らされた小さな空間があった。
Aが立っている側にはおそらく着地に失敗したのであろう人の血染みがいくつかある。片付けきれていない臓器のかけらも。

明るい方へ進み、カウンターの前で受付嬢の指示を仰ぐ。

「ようこそおいでくださいました!
当試験の概要を説明させていただきます。
ミッションは“脱出”。
12時間でこの地下1200mからこの先の洞窟を抜けて地上へ脱出できた者が試験合格者となります。
当試験では全受験者に特殊な位置情報追跡機能が施されたウェアラブル端末が支給され、自分の現在位置をメートル単位でわかるようになっています。また各人、必要な装備品、食料品はこのスタート地点で無償で揃えることができます。尚、開始時刻は本日の正午で、開始後も装備品の変更等は可能となっています。
現在時刻は午前10時17分10秒。開始時間までに装備品提供コーナーの先のスタートライン、赤線が引いてありますところまでご集合ください。
ご不明な点がございましたら、お申し付けください。
それでは、ご健闘をお祈りいたします。」

受付嬢がお辞儀するのに従い、私も軽く礼をする。
装備品提供コーナーに入ると、そこはまるでアウトドアショップのような空間であった。
ロープやストック、シューズなど“一般的な”装備品ばかりだ。

(ここにたどり着くような人間がこれらを必要とするとは思えないな。)

と思いつつも、上質な靴や上着は魅力的であったので物色する。無料で選び放題というのは、文無しの私にとっては美味しい話であるのだ。

いくつか目星をつけて、服装(ほとんど一式)を貰う。丈夫そうで且つとても動きやすい。それと食料品を詰め込んだウエストバックも装着した。食品はあちらの世界でいう無印良品のような素朴で美味しそうなものばかりで思わず沢山頂いてしまった。しかし、無料である。構いはしないだろう。

左手首に装着したウェアラブル端末を見る。
アップルウォッチを彷彿とさせるその端末には午前10時44分と表示されている。

暇を持て余した私は早速チョコがけドライイチゴの袋を開けた。

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零落*・reira(プロフ) - カルタさん» ありがとうございます!そう言っていただけるととても励みになります…! (2020年2月16日 15時) (レス) id: 5e63a1d1e7 (このIDを非表示/違反報告)
カルタ(プロフ) - めっっっちゃ面白いです!合格おめでとうございます!更新楽しみにしています! (2020年2月16日 14時) (レス) id: 132cc7b19e (このIDを非表示/違反報告)
白餡(プロフ) - パパっと読んでみましたが、描写も結構きっちりとしていて面白かったです。更新頑張ってください (2019年2月16日 23時) (レス) id: 81568ffd32 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:零落 | 作成日時:2019年2月14日 23時

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