第3章 - 3話 ページ35
「開始10分前です。
開始時刻にスタートラインにいない受験者は失格になりますので、早めにお集まりください。
尚、装備品提供コーナーは試験開始後もご利用いただけますので集合を優先していただくようお願いいたします。」
壁に設置されたスピーカーからアナウンスが流れる。
私はベンチから腰を上げてスタートラインの方へ向かった。
ここにいる受験者は全部で12人。
やはり今回はたどり着くまでの難易度が高かったのだろう。
確かに定食屋での合図を知ってさえいれば誰でもパスできるような生ぬるいものではなかった。その証拠に何人かはすでに相当体力を消耗しているように見える。
だが、あのカタコンベを円を使わずに通り抜け、あの1kmの穴を降りてこられた人はそれだけでも充分実力者であると言えるだろう。
念能力者はみたところ5人。評価はつけかねるが2人、興味深い質のオーラを纏っている。1人は老人、もう1人は青年だ。
(面白くなりそうだな。)
私が薄く笑うと丁度アナウンスが全受験者の集合完了と開始1分前を告げた。
(そろそろ、始めよう。…円)
私は目を瞑った。
試験開始と同時に動くべく、円を始める。放射状に、しかし前方と頭上に偏って広げる。私の円は必ずしも円形であるわけではないのだ。円の方向と出力はコントロール可能な範疇にある。
地上にに円が達したのは約10秒。最短ルートを割り出すまでに約20秒。およそ30秒で円を終える。
私が洞窟内を更に把握しようとしていると、円が奇妙な生命体の影を捉えた。それと同時にアナウンスが鳴る。
「試験開始！」
私は慌てて目を開き、とりあえず走り出し地上へのルートをたどり初めた。
最短ルートのほぼ中間で不自然に動く生命体の様子を探りながら。
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零落*・reira(プロフ) - カルタさん» ありがとうございます！そう言っていただけるととても励みになります…！ (2020年2月16日 15時) (
レス) id: 5e63a1d1e7 (このIDを非表示/違反報告)
カルタ(プロフ) - めっっっちゃ面白いです！合格おめでとうございます！更新楽しみにしています！ (2020年2月16日 14時) (レス) id: 132cc7b19e (このIDを非表示/違反報告)
白餡(プロフ) - パパっと読んでみましたが、描写も結構きっちりとしていて面白かったです。更新頑張ってください (2019年2月16日 23時) (レス) id: 81568ffd32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：零落 | 作成日時：2019年2月14日 23時
