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第1章 - 7話 ページ7

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走れ、走れ



たくさんの偶蹄類が駆ける音が聞こえる。きっとキャラバン達だろう。



追いつかれる、もっと急げ



私は一心不乱に走った。
しばらく走ると帰路とは真反対の森の入り口についた。
蹄の音はもうしなかった、が、いつまで追われるかわからない。


そうだ、ラティは


あの街は私もラティもよく行く街だ。街で我々の顔は知られている。街の人が大金で釣られたら、すぐに家の所在を割られるだろう。
ラティに伝えなければ。ラティとともに逃げなければ。

目眩しのためにそのまま森の中へ入り、再び駆けだす。遠回りではあるが森の中から家に戻ることにした。
恐ろしいくらい速く走れるのに、視界ははっきりしている。

Aはやっと、自分が想像以上に、常人以上に速く走れるということに気がついた。
Aは今までこの世界で生きてきて、全力で走ることはなかった。無論、誰かに追われることもなかった。それ故に、体力があることに気づきはしても、これほど身体能力が優れているとは気がつかなかったのだ。


私は走りながら腕の中の少年を見る。
どうやら気を失ってしまったようだ。金色の髪を持った彼は、涙で顔が濡れている。
拭ってやりたいが足を止めるわけにもいかず、そのままにしてまた前を向いた。




動揺。




既視感、そして確信。

しかしそれを上回る動揺。





“赤い目”、“クルタ族”、“生き残り”…




これらの単語を聞いて思い浮かぶのはただひとつ。



クラピカだ。
彼はきっと、クラピカなのだろう。



そしてこの世界は、いや、信じがたいが、







ハンターハンターの世界なのかもしれない。





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零落*・reira(プロフ) - カルタさん» ありがとうございます!そう言っていただけるととても励みになります…! (2020年2月16日 15時) (レス) id: 5e63a1d1e7 (このIDを非表示/違反報告)
カルタ(プロフ) - めっっっちゃ面白いです!合格おめでとうございます!更新楽しみにしています! (2020年2月16日 14時) (レス) id: 132cc7b19e (このIDを非表示/違反報告)
白餡(プロフ) - パパっと読んでみましたが、描写も結構きっちりとしていて面白かったです。更新頑張ってください (2019年2月16日 23時) (レス) id: 81568ffd32 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:零落 | 作成日時:2019年2月14日 23時

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